サクヒン

Brand Design 「異次元の白」に到達するための、大胆で自信あふれる広告戦略

HAKU ポスター HAKU ポスター
HAKU 雑誌広告 HAKU 雑誌広告

Comment

異次元の境地へと誘う、白と黒の世界観

―美白美容液「HAKU」の新アイテム発売に向けた広告キャンペーンにおいて、どのようなアプローチを行ったのでしょうか?

アートディレクター・永田:2005年の誕生からHAKUは10年間、中味の進化しながらもパッケージの外見をほぼ変えずに進化を重ねてきました。今回、化粧水と乳液がHAKUに加わることになって、改めて新しいお客さまにHAKUの新しい魅力を届けたいと願って開発がスタートしました。HAKUのパッケージは記憶に残る印象的な形が特長です。そして白と黒の2色のコントラストが基調です。ドレープを描くようなボトルのフォルムは建築的な要素を取り入れています。NYのソロモン・R・グッゲンハイム美術館の建築ように白い塊には、圧倒的な存在感がありますよね。建築がもつ"崇高さ"にHAKUの王道感を重ね合わせていたんです。白だけのパッケージだからこそ、形に個性を与えることで一層「白」を際立たせることを狙っています。光と影、白と黒。容器の白い世界の中で、キャップを空けた時に覗く黒は、ピンポイントにできてしまったシミに効くといったHAKU独自の高い効果をアピールしています。

クリエイティブディレクター・小助川ブランド全体のテーマは「白と黒の王道感」。独自のアイデンティティーを持ったまったく新しい美白化粧品の登場を打ち出してきた結果、「シミ対策といえば、HAKU」といった信頼を獲得し、今では美白化粧品でNo.1の売上を誇っています。そこで大事になるのは、上質で凛とした世界観。他商品と一線を画す「異次元の白」を打ち出すために、特徴的なボトルのデザインを全面に出したビジュアル展開を考案しました。

HAKU 商品パッケージ HAKU 商品パッケージ

モデルに起用された松岡モナさん モデルに起用された松岡モナさん

HAKUの世界観を表現したビジュアル HAKUの世界観を表現したビジュアル

     
光、色、フォルム。究極の「白」を求めた徹底的なこだわり

―ポスターなどのビジュアルにも白と黒の陰影が際立っていますね。

アートディレクター・片板:今回のキャンペーンでは、ラインナップが増えたことと同時に、ボトル1本ずつの存在感を強く印象づけたいと考えました。そこで、化粧水、乳液、美容液の3本を異次元にそびえたつ塔に見立て、アートオブジェのように撮影しています。また、モデルの松岡モナさんが着用した衣装はスタイリストの伊藤佐智子さんによるオリジナルです。ボトルデザインのフォルムに合わせて、三次元曲面を印象的に表現したドレスを制作していただきました。ポスターの撮影時には衣装をまとったときの絶妙なラインが際立つようにライティングを細かく設定し、黒い世界から明るい世界へ陰影が浮かび上がる仕掛けを施しています。究極の「白」を描くために、陰影は重要な要素となっているんです。

アートディレクター・永田:ボトルカラーの「白」についてはやはり強いこだわりがあります。はじめは特殊なパールを使ったり試行錯誤しましたが、少しやわらかすぎる印象もあったので結果、何も足さない「真白」にしました。青くもないし、黄色くもない、真白。結局それが一番HAKUらしいと思えたし時代に流されないシンボリックなパッケージになったと思います。毎日使っても飽きない愛着のわくことも心がけています。ボトルの下の方はギリギリまで透明感を増すようになっているのは残量がちらりと覗くようにして「詰め替えの時期」がそっとわかるようになっているからなんですよ。

―ターゲット層により深くリーチするために、どんな施策があったのでしょうか?

コピーライター・石川:HAKUのお客さまは20〜60代まで幅広く、「美白」を求める人すべてともいえるんです。一方、マーケットリサーチの結果によると、美白化粧品ユーザーのほとんどがネット検索で他商品と比較してから購入を決めていることがわかりました。そこで、お客さまのインサイトに響くトリガーとなる要素を考慮し、最終的に決まったのが、「美しさは、シミを許さない」といった力強いコピーでした。

一見奇抜な施策も。ブランドの自信をアピールする圧倒的な佇まい

―TVCMや雑誌広告のビジュアルも斬新ですね。

クリエイティブディレクター・小助川:モデルよりも商品ボトルの方が明らかに大きいという荒技です(笑)。一見かなり奇抜なアイデアですが、この佇まいこそがブランドの自信になると思ったんです。また、この異次元世界に拮抗でき、世界トップクラスの資生堂の美白研究をアピールする存在として、ワールドワイドで活躍する松岡モナさんをモデルに起用しています。

TVCMでは古代メソポタミアやヘレニズム文化など、複数の国・地域や歴史が混ざった抽象的な世界をイメージし、映像ディレクターの関根光才さんと何度も打ち合わせを重ねていきました。巨大な塔が開いて光が差し込む瞬間の映像は、実際に塔のミニチュアを作り、実写とCGを絶妙に組み合わせて作りました。これは熟練した撮影技術スタッフとCGスタッフの力の賜物ですね。松岡さんが歩いていくときの光の差し込み具合や、商品ボトルのカットは、天井の高いところから照明を当てることで太陽がめぐる様子を演出するなど、ライティングは綿密に調整しましたね。

高価格帯の美白ユーザーは、必ず検索し自分で調べてから購入します。TVCMでは説明的なものになることよりも、感覚的に訴えることを意識しています。ただならぬ気配、が伝わることが能動的に調べてみたい、という気持ちに火をつけるのではないでしょうか。結果的に普通のスキンケアとはちょっとちがった異質な感じに仕上がったと思います。

掲載日 2015年4月

HAKU TVCM

HAKUメンバー
Profile
      

(左から)

片板 豊樹(かたいた とよき): Art Director

東京藝術大学大学院 美術研究科修了1997年資生堂入社。HAKUの他に、中国ブランドのAUPRESなどのグラフィックデザインを担当

小助川 雅人(こすけがわ まさと): Creative Director

1991年資生堂入社。3年間の営業経験を経て、CMプランナーとしてクリエイティブ職に。HAKU、FWB、ワタシプラス、椿の夢などを担当。

永田 香(ながた かおり): Art Director

英国・キングストン大学 グラフィックデザイン学部を卒業後、1998年資生堂入社。初代HAKUの生みの親でもある。HAKUの他に、BENEFIQUE、マシェリなど他多数のパッケージ・デザインを担当。

石川 北斗(いしかわ ほくと) Copy Writer
最近の主な仕事にアデノゲン、イハダ、アクアレーベルなど。2011年に株式会社 ナカハタに出向。
Credit
CD
小助川 雅人
AD
永田 香(パッケージ)
片板 豊樹(グラフィック)
D
塚本 康博
C
石川 北斗
WebD
中島 優
PR
鈴木 利一(パッケージ)
石井 稚子
Links

クレジット表記について
  • ECD: エグゼクティブ クリエイティブディレクター
  • CD: クリエイティブディレクター
  • AD: アートディレクター
  • D: デザイナー
  • Copy D: コピーディレクター
  • C: コピーライター
  • P: プロデューサー
  • PH: フォトグラファー
  • PL: プランナー
  • ST: ストラテジスト

クレジットは資生堂 クリエイティブ本部のスタッフのみの掲載としております。

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