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Graphic Design現代詩花椿賞30回記念アンソロジー

現代詩花椿賞30回記念アンソロジー現代詩花椿賞30回記念アンソロジー
現代詩花椿賞30回記念アンソロジー現代詩花椿賞30回記念アンソロジー

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現代詩の持つアヴァンギャルド性を表現したブックデザイン

資生堂は、「美を伝えることばの力を高めたい」という思いから「現代詩花椿賞」という文学賞を1983年に創設し、これまで数々の詩人を支援する活動を行っていました。そして30周年である今年、過去の受賞者30人の詩を取り上げた記念のアンソロジー(名詩選)を出版することになり、その装幀を担当しました。歴代の受賞作の抜粋に加え、吉増剛造氏や谷川俊太郎氏をはじめとした受賞者の方々に新作を執筆いただくなど、豪華な一冊になっています。

30周年を迎え、そして30人の詩人が紹介されているこのアンソロジーですので、その数字を印象的に伝えようと思い、「三十」という数字を表紙のデザインとして取り入れました。さらにアンソロジーに掲載される詩を読んだとき、東日本大震災や環境問題の影響もあり、海や森、大地といったテーマを取り上げる作品が多くあり、強さを感じました。資生堂の社名の由来は、中国の古典である『易経』のなかの、「至哉坤元 万物資生」という言葉にありますが、それはすなわち「大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか。すべてのものはここから生まれる」という意味。自然に起因しているというところに資生堂と現代詩との共通点を感じ、表紙のデザインには、森、水、そして大地を表現した三色の罫線を取り入れました。

現代詩は、モダンではありますが、決して軽い表現ではありません。その印象を、紙とインクでいかに表現するかという点はこだわりました。たまたまパリで見かけた、時計のカタログに施されていた縮緬(ちりめん)のような印刷表現がとても気になり、東京に持ち帰ってその印刷手法に何度もトライし、実現させることが出来ました。他にも、黒と黄色の「危険カラー」を取り入れたり、資生堂書体の上にグラフィックを重ねたりと、通常はあまり使わない手法を用いることで、現代詩の持つアヴァンギャルド性を表現しています。

現代詩のような前衛的な言語の世界と、資生堂が融合した一冊。手に取ったときに、少しドキドキするような、異質な特別感を感じていただければ嬉しいです。(三浦 遊)

Credit
CD
澁谷 克彦
AD / D
三浦 遊
PH
伊東 祥太郎(扉ページ)
P
齋藤 圭祐
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クレジットは資生堂 宣伝・デザイン部のスタッフのみの掲載としております。

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