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過去の展覧会 2011年

「うるし、麗し 五人の人間国宝による漆芸展」

2011年10月4日(火)― 12月18日(日)

資生堂アートハウスでは、五名の人間国宝による漆芸品の展覧会「うるし、麗し」を開催しました。

漆(うるし)は漆の木の樹液を精製して得られる塗料で、その美しさや堅牢性が尊ばれ、東南アジアを中心に古来から利用されてきました。わが国においては縄文時代にはすでに漆器が制作され、その後時代を経ながら顕著に発展し、今日英語でjapanと表記されれば「漆芸品」を指すことからも象徴されるように、繊細優美に洗練された技法に高い芸術性が加味された、世界で最も優れた漆芸品が長い年月にわたって生み出されてきました。

今回の展覧会では、伝統的な漆芸の分野で優れた業績を残し、戦後の漆芸界を牽引した五名の作家による代表的な漆技法による作品をご覧いただきました。

「げんだいびじゅつを のぞいてみませんか」

2011年7月5日(火)― 9月25日(日)

資生堂が主催した「第4次椿会」(1993-1997)、「第5次椿会」(2001-2005)、「第6次椿会」(2007-2010)のメンバーによる作品展「げんだいびじゅつを のぞいてみませんか」を開催しました。これまでの資生堂が主に蒐集してきた具象的な絵画や彫刻、または伝統的な工芸品とは異なり、いわゆる「現代美術」と呼称されるジャンルの芸術です。
出品内容は、野見山暁治、李 禹煥ら現代美術の重鎮とされる作家の作品から、伊庭靖子、袴田京太朗ら新進作家の作品までをあつめた33点。
現在、芸術の世界にはさまざまな表現が出現し、これまでの絵画や彫刻などの範疇には納まりきらない作品が数多く創られています。そんな今の時代の芸術作品を垣間見ることのできた展覧会となりました。

「日本画で描く四季 春から夏へ」

2011年4月5日(土)― 6月26日(日)

四季の変化に富んだわが国では、人々の生活は古来よりその移り変わりに寄り添いながら営まれてきました。
旧暦のこよみを見れば、一月の立春から十二月の大寒まで、1年には二十四の節季が設けられ、季節の節目を大切に重ねられてきた祖先の暮らしがしのばれます。
絵画においては、雪月花に代表される自然の風物はもとより、例えば正月の松飾、雛祭りの雛人形、端午の節句の兜など、年中行事を象徴する題材が好んで採り上げられ、数多くの作品が作られてきました。
今回資生堂アートハウスでは収蔵作品の中から、春から夏にかけての景色や風物を描いた日本画約24点による展覧会を開催しました。文化勲章受章者を中心に、横山大観、奥村土牛、上村松篁ら資生堂が1947年から主催してきた「椿会美術展」に足跡をのこす10名の作家による作品を展示しました。

「現代陶芸の精華 人間国宝による作品から抽象陶芸まで」

2011年1月22日(土)― 3月27日(日)

資生堂が20年にわたって主催した工芸品の展覧会「現代工藝展」(1975-1995)出品作の中から、伝統工芸から抽象陶芸に至る名品を選び、展示しました。
第2次大戦後の美術界には大きな変革の波が押し寄せました。陶芸の分野もその例に漏れず、さまざまな才能の出現と共に、技法的にも主張的にもまれにみる多様化が進み、従来の「工芸」の範疇にはおさまらない作品が世に問われる一方で、伝統的な技法と用途を追求した作品が同じ陶芸のフィールドで競い合いました。
資生堂が開催した「現代工藝展」もそのような時代の流れの中で企画された展覧会で、創設時の構成は陶芸と漆芸が3名、金工、竹工、ガラス芸が1名の5分野9名。所属団体や作風にとらわれることなく選ばれた気鋭の作家たちが、年に一度新作を発表する場として注目をあびました。
本展覧会では、「現代工藝展」創設メンバーの加守田章二、清水卯一、八木一夫の作品をはじめ、同展に所属した人間国宝6名を含む9名の作品38点を展示しました。
色絵磁器、鉄釉陶器、鉄絵、志野、練上手の五つの分野の最高峰の作品をはじめ、「走泥社」創設会員2名による抽象陶芸、また、加守田章二の代表作がならぶ展覧会となりました。