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2015年5月 雑誌広告<br/>My Happiness<br/>世界がふり向く 一途な愛
2015年7月 雑誌広告<br/>My Happiness<br/>道を拓いて明日をつくる
2015年9月 雑誌広告<br/>My Happiness<br/>本を愛しすべてを捧げる
資生堂トークセッション「My Happiness」vol.5
メディアアーティスト 真鍋大度 × ウォンテッドリー CEO 仲暁子
自分が作りたいものを作る
 以前、真鍋さんの会社が私たちの隣にあって、気になってよく窓から見ていたんです(笑)。
真鍋 そうそう。スタッフの方が僕のワークショップに来てくださって、「実は隣なんです」みたいな話になって。
 それで私がFacebookでご連絡して、「遊びに行ってもいいですか」と言ったのがはじまりでした。ライゾマティクスの求人でも、すぐにウォンテッドリーを使ってくださいましたよね。
真鍋 試してみたらすごい反響があったんですよ。いまやウォンテッドリー経由で採用した社員が何人もいます。うちのエースエンジニアもそうですよ。
 そうやって結果が出ている話を聞くと、サービスを提供している側としてはうれしいです!
真鍋 ウォンテッドリーって、「まずは会社に遊びに来てください」という感じですよね。
 そうなんです。ウォンテッドリーは企業と人のマッチングもできるビジネスSNSなんですが、給料や福利厚生といった条件で仕事を探すのではなく、「会社の中の人が、どんな想いやモチベーションで働いているのか」というストーリーを大事にしているんです。人と企業が出会うソーシャルな場というのがコンセプトなので、まずは遊びに行ってみて、お互いに共感できれば、選考プロセスに入るという形にしてもらっています。
真鍋 採用側としては、最初に履歴書を送ってもらって選抜していくほうが楽な面もありますけど、優秀な人を見逃してしまうケースもけっこうある気がするんです。ウォンテッドリー経由で応募してきた子の中には、いわゆる履歴書的なスペックは高くなくても、やたらと筋がいい子がいるんですよ。もともとどういうところからこのサービスを思いついたんですか?
 うちの両親が研究者で、すごく没頭して、楽しそうに仕事をする人たちだったんです。それを見て育ったんで、「仕事っておもしろいものなんだろうな」と思っていたんですけど、いざ社会に出てみたら意外とみんなつらそうに働いている。「あれあれ? これはちょっと違うんじゃないか?」と感じたのが、原点ではあります。ただ、会社を辞めてすぐに起業したわけじゃないんです。私、実は漫画家をめざしていたんです。
真鍋 えっ!?
 子どものころからマンガが好きで、本気で描いていたんですよ。見ますか? 見てもらうと温度感がわかってもらえると思うので。
(仲さん、自分のオフィスから100ページほどのマンガ原稿の束を持ってくる)
真鍋 うわっ、すごい。SFアクション? これは確かに本気だ。
 北海道に8カ月こもって、毎日ずーっとマンガを描き続けていたんです。新人賞に応募して、いいところまでは行くんだけど、どうしてもデビューできない。そこで自ら見切りをつけて、「こういう日の目を見ないマンガを集めて見られるウェブサイトを作ろう」と思い立ったんです。そのサイトをPRしているとき、偶然Facebook ジャパン代表の方にお会いして、フェイスブックに入って、そこでいろいろ学んでウォンテッドリーを作ることになった……というわけです。いま振り返ると、コースアウトしたから、いろいろな経験と出会いがあったのかなと思います。
真鍋 僕も新卒で入ったメーカーのエンジニアを辞めて、IAMAS(岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー)というだれも知らないような学校に行くという決断をしたんですけど、家族やまわりの人に説明したら、やっぱり「何で辞めちゃうの?」と言われました。しかも「プログラミングでアート作品を創るんだ」と言っても、まだ世の中にそんなものはほとんど存在していないじゃないですか。だから、ぜんぜん理解されない(苦笑)。
 でも、真鍋さんの頭の中には作りたいもののイメージがあったんですよね?
真鍋 これを作ったら行けそうだっていうアイデアはたくさんあった。僕は音楽が好きでバンドやDJもやっていたから、ターンテーブルやCDJの代わりに、パソコンでDJをする装置を考えたり、家を丸ごと揺らしてスピーカーにするとか、けっこういろんなものを考案しました。ただ僕の場合は、プロダクトを作るのは手段であって、目的はあくまで自分でパフォーマンスをすること。それがビジネスになるかは、ほとんど考えていなかった。でも一日中、作りたいものを作っていたから、僕は幸せでしたけどね。
人を動かすチャレンジを
 私、真鍋さんの作品では、音楽に合わせて電気信号で顔の筋肉を動かすやつが好きなんです。初めてYouTubeで見たときは「すごい!」と思いました。
真鍋 あれをきっかけにCMの仕事が舞い込みはじめて、「自分のやっていることは仕事になるんだ」と初めて気がついたんです。
 ライゾマティクスはもともと3人ではじめたんですよね?
真鍋 そうです。他の2人はwebと広告だったので常に仕事があって、僕だけずっと仕事がなかったんです(笑)。それでも彼らは僕に期待してくれていて、僕の作品をいろんなところに売り込んでくれた。そんなとき、新しいテクノロジーを使ったメディアアートを広告表現に使おうという人たちが出てきたんですよ。ロッテの「ガムを噛んだら雷が落ちる」とか、ナイキの「靴を楽器にする」とか。
 最近はPerfumeの舞台演出がすごく注目されていますよね。
真鍋 広告はだんだんいろんな人がやるようになってきたので、僕としては「次はエンターテインメントだ」と思って、3年くらいずっとPerfumeにアイデアをプレゼンしていたんです。それがうまくいったことで、日本のエンタメでもテクノロジーを取り入れるトレンドがはじまって、いまではいろいろなアーティストに広がってきています。
 Perfumeもライゾマティクスの作品があったから、テクノロジー系のイメージでさらにブレイクしたっていうのもありますよね。
真鍋 いやいや、とんでもないです。僕らの場合は、自分たちが作ったものを使って表現できればいいので、新しいことをいくらでもやれるんです。それこそアート作品だったら、アイデアは無限に出てきます。ただ、それをちゃんとエンタメの舞台にフィットさせようとすると、いろいろ制限が出てきます。でも、僕にとって、それはそれでやりがいがあるんですよ。見せ方の工夫次第で、何万人ものお客さんをウォーッと喜ばせたり、同業者から「それは思いつかなかった、やられた!」と思わせることができるから。
 やっぱりライブで会場全体が盛り上がると感動するんでしょうね。
真鍋 舞台袖でグッときて、ちょっと泣いてたりもします(笑)。そういう感動の瞬間をアーティストも、ファンも、僕ら技術サイドも共有できるのがエンタメのよさですよね。
 私もウォンテッドリーのサービスがどう使われているか、リアルタイムの分析を見ていると、ついひとりでニヤニヤしちゃいます。数字の裏に一人ひとりの生活があって、やっている仕事やストーリーがあって、たったいまこの人たちの人生が変わりつつある──そう想像すると、うれしくなるんです。「シゴトでココロオドル人をふやす」というのがウォンテッドリーのビジョンなんですけど、そのためには、やっている仕事やチームに共感していること、チャレンジングで成長実感を持てること、自分に意思決定権があることの3つが、とくに大切だと思うんです。
真鍋 なるほど。たしかにアーティストやエンジニアにとって、チャレンジは必要だし、それがすべてみたいなところもあります。だから、僕らは一度作ったものをパッケージ化して使いまわすようなことは決してやらないんです。古いものは躊躇なく捨てるし、毎回必ず新しいテーマを入れる。優秀なエンジニアほど扱いが難しくて、おもしろいチャレンジを与えないと、すぐモチベーションが下がって、社員なのに仕事を断ってきたりするんですよ(苦笑)。
 私自身、もの作りが好きなので、その感覚はわかる気がします。昔はマンガを描くっていう手段にこだわりがあったんですけど、いまは手段は何でもいいという感覚なんです。サービスを開発したり、会社の組織を整備するのも、もの作りのひとつだと思ってます。
真鍋 仲さんのように成功しているビジネスウーマンが、僕の仕事に興味を持ってくれるのが前から不思議だったんですけど、ベースにはそういうクリエイティブ志向があるんですね。今日はマンガも見せてもらって、そのことがよくわかりました。
 だから私、真鍋さんの話を聞くと、いつもすごい刺激を受けるんです。ナチュラルにいろんなところにアンテナが向いている人なんだなって。真鍋さんと話して帰ってきたあとは、いつも受け売りでいろんな人によくペラペラしゃべってます(笑)。
真鍋 じゃあ、毎回、新ネタをしゃべらないと(笑)。今度ウォンテッドリーのエンジニアたちを連れてライゾマティクスに遊びに来てくださいよ。
 ぜひぜひ。よろしくお願いします!