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2017年8月 雑誌広告<br/>ONE ON ONE<br/>ゲスト:羽根田卓也(カヌー選手)
2017年10月 雑誌広告<br/>ONE ON ONE<br/>ゲスト:濱田真由(テコンドー選手)
2016年2月 雑誌広告<br/>ONE on ONE<br/>「いい顔」に迫る対談企画、スタート!
いい顔に迫る資生堂クロストーク「ONE ON ONE」vol.8
女子レスリング選手 登坂 絵莉 × 女優 二階堂 ふみ
気持ちで絶対に負けない
二階堂 お久しぶりです。登坂さんとはリオの後、テレビ番組の収録でごいっしょして。
登坂 そうですね、お久しぶりです。実はあの時、二階堂さんにかけてもらった言葉が、ほかの誰の言葉よりもうれしくて。
二階堂 え、本当ですか?
登坂 はい。オリンピックはすごくフェアで美しくて、観ていて泣けましたということを言ってくださって、その言葉がずっと心に残ってるんです。取材でも、二階堂さんのお名前は出してないんですけど、こんなふうに言われてうれしかったという話をいつもさせてもらっています。
二階堂 こちらこそうれしいです。ちょうど海外にいたんですけど、異国の地で私は日本人だということを意識しながら、日の丸を背負って闘っているみなさんを観ていたので。本当に美しいなと思いました。リオから時間が経って、今はどんなお気持ちですか?
登坂 リオの1年ほど前から怪我をしていて、終わった瞬間から東京に向けて練習したかったんですけど、思いのほか怪我が長引いていて。焦りがありますね。
二階堂 じゃあ頂点に立った喜びは、もうそれほどないってことなんですね。
登坂 ないですね。みなさんの中にはメダリストの強いイメージがあるかもしれないですけど、今の私は強くないなって。
二階堂 意外です。資料などを拝見して、登坂さんはこれまで練習を人一倍されてきた方なんだなあと。
登坂 練習で平常心を保ってきたというか、怖さを紛らわせてきたようなところもあるので、練習が十分にできないのは不安ですね。
二階堂 その不安は少しずつでも解消できていますか?
登坂 うーん、今はすべて現実として受け止めて、よし、やるぞっていう気持ちです。
二階堂 リオの決勝では土壇場から逆転されましたけど、あの姿を観ても登坂さんには気持ちの強さを感じますよね。
登坂 私は気持ちの強さだけで闘っているようなもので、飛び抜けて運動神経がいいわけでもないし、例えば吉田沙保里さんのようなタックルとか、ずば抜けてすごい技があるわけでもないんです。〝なんとなく〟な選手なので。
二階堂 そんなことないですよ(笑)。
登坂 いや、技としてはいまいちどれもキレがないというか(笑)。でも気持ちだけは自分でも強いと思います。好きな言葉は「強い志」で、怪我をしていようが、どんな状況でも絶対に勝つという気持ちは誰にも負けないんだって。
二階堂 そこが登坂さんの強みなんだと思います。これからは各国の選手が登坂対策を考えて挑んでくるんでしょうね。
登坂 そうかもしれません。でも私はどれだけ研究されても大丈夫だと思ってるんです。レスリングは0・0何秒のフェイントで騙し合うスポーツなので。
二階堂 レスリングは観ている人も腕に力が入ってしまうような、正面から力をぶつけ合うスポーツだと思ってたんですけど、実は心理戦なんですね。
登坂 はい、心理を読み合いますね。静かになったり、急に激しくなったり、駆け引きがすごくあって。その辺も観てもらえたら楽しいかもしれません。
二階堂 へえー、注目してみます。
東京オリンピックとその後
二階堂 競技生活の中で、登坂さんにとって転機となったのはどんな瞬間ですか?
登坂 2012年の世界選手権です。初めて本気で世界チャンピオンをめざして、決勝で負けてしまったんですけど、もっと練習すれば絶対に世界チャンピオンになれると確信することができて。そこからは一気に行けましたね。
二階堂 これまでの競技生活で、掴めてよかったなと思うものは何ですか?
登坂 レスリングを通じて人として成長できたんだなって、特にリオが終わってから実感します。昔はオリンピックのメダリストが感謝の気持ちを口にするたび、そんなの嘘だ、がんばった自分が一番すごいと思ってるはずだって考えていたんです。でも実際に自分がその立場になると、そういう言葉が自然に出てきて。心から感謝の気持ちを感じることができて、レスリングをやっていてよかったなと思いました。
二階堂 周りの方のサポートもあらためて実感したんでしょうね。
登坂 思っていた以上にたくさんの方が応援してくれて、私が勝ったことを喜んでくれたので、それがうれしかったです。
二階堂 東京でオリンピックが開催されるのは、やっぱりうれしいですか?
登坂 うれしいですね。代表として参加したいし、みなさんも生で観られる機会はなかなかないと思うので、観てほしいなという気持ちはあります。みなさんの応援は本当に力になるので。
二階堂 東京オリンピックまでに、おそらくいろんな目標を設定していらっしゃると思うんですけど。
登坂 私は減量が多かったので、いろんな階級を試してみたいなって。早く怪我を治して試合に出て、自分に合う階級で世界チャンピオンになってから、東京に向かいたいなと思います。あと技術的にはディフェンスと寝技。タックルの得点力を上げることも大事ですけど、その2つが私は弱いので、東京オリンピックの1年前くらいまでには仕上げていきたいですね。
二階堂 だいぶ先の話になってしまいますけど、東京オリンピックのその後は、どんなことを考えていますか?
登坂 海外に留学してみたいです。留学した経験のある人に聞くと、人としてものの見方が変わるよって言うんですね。レスリング以外のことについて、私は視野が狭い部分があるので、いろんな国に行ってみたいなって。
二階堂 へえー、いいですね。もしレスリングをしていなかったら、何をしていたと思いますか?
登坂 何をしてるんだろう? 最初はサッカーをやりたかったんですけど。
二階堂 そうなんですか?
登坂 でも全然想像できないです。レスリングを通して、たくさんの人に出会うことができたので、やっていてよかったなと思います。
幸せを感じる瞬間
二階堂 登坂さんと私は年齢が近いので、レスリングのこと以外にも、同じ年代の女性として登坂さんがどんな方なのかをお聞きしたくて。
登坂 けっこう普通だと思います。やりたいことはそこそこ自由にできてるし、好きなものも思いきり食べていて。限りなく食べすぎて、栄養士さんに怒られてるんですけど(笑)。
二階堂 あはは。お酒もお好きなんですっけ?
登坂 けっこう好きです。
二階堂 じゃあたくさん食べて、たくさん飲んで。
登坂 はい。食べて、飲んで、笑って、寝て。人間くさい感じですよね(笑)。
二階堂 でも試合前は節制されるんですよね。
登坂 10日間に6キロくらい減量します。
二階堂 ええー。
登坂 その時はげっそりしてますね。食べたらいけないし、でも食べなきゃ動けないし、ストレスも溜まるなと思いながら。
二階堂 食べることが息抜きにもなってるんですね。
登坂 そうなんです。でも息を抜きすぎる時があって(笑)。ダメなんです。
二階堂 じゃあ息抜きと練習のメリハリを上手につけていただいて。
登坂 はい、練習もがんばります。食べてがんばる(笑)。
二階堂 ちなみにへこんだ時はどういうふうに解消してますか?
登坂 へこむことはほとんどないですね。リオで負けていたらへこんでたと思うんですけど、昔から試合で負けてもここがゴールじゃないんだって。この負けを次の勝ちに活かそうと思ってきました。日常生活でも落ち込むことはあまりないかもしれません。
二階堂 すごくポジティブなほう?
登坂 ネガティブな部分はすごくネガティブだと思ってるんですけど、自分では(笑)。ポジティブなのかな? 強いて言えば、例えば後輩が練習で手を抜いてた時、感情的になって注意しちゃうことがあって、なんであんなふうに言っちゃったんだろうって後悔することはありますけど。それくらいですね、へこむのは。
二階堂 今、登坂さんが幸せを感じるのはどんな瞬間ですか?
登坂 レスリングが中心の生き方を、ずっと家族といっしょにしてきたので、これまでは勝って家族を喜ばせたかったんです。でもリオの後は、応援してくださる方に何かを伝えられたらなって。今はそれが一番の幸せだし、生きがいですね。
二階堂 カッコいいです、登坂さん。