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2016年2月 雑誌広告<br/>ONE on ONE<br/>「いい顔」に迫る対談企画、スタート!
2016年4月 雑誌広告<br/>ONE on ONE<br/>ゲスト:野村忠宏(柔道家)
2016年8月 雑誌広告<br/>ONE on ONE<br/>ゲスト:宮脇花綸(フェンサー)
いい顔に迫る資生堂クロストーク「ONE ON ONE」vol.14
陸上選手 多田 修平 × 女優 吉岡 里帆
楽しんで走る
吉岡 2017年5月21日のセイコーゴールデングランプリ陸上が転機になったそうですね。
多田 はい、その年の世界陸上100mで優勝したジャスティン・ガトリン選手がいっしょだったんですけど、いざ走ってみたら、スタートである程度リードできたんですね。これ、勝てるんちゃうかって(笑)。
吉岡 中盤まで多田選手が先行してましたよね。
多田 結局は後半のスピードの違いが出て、80mくらいで抜かされちゃったんです。でもその試合で自信がついて、世界陸上には当初の目標だったリレーだけでなく、個人でも出場したいなという気持ちが芽生えました。
吉岡 その時、終盤で差がついてしまったのはなぜなんですか?
多田 僕はスタートで足を回しすぎるので、前半で体力を使ってしまうんです。だから後半になると体力がなくなって、失速していくというレースパターンが多くて。今年はスタートで足を回しすぎず、体力を温存しながら速く出て、後半でもスピードを維持できるようにと思いながらトレーニングに励んできました。
吉岡 弱点の克服に向けて前進されてるんですね! 反対に長所はどこですか?
多田 スタートして、前傾姿勢から顔を上げる部分が一番得意で、他の選手より一歩抜け出せる瞬間が中盤ですね。そこからの加速が好きです。
吉岡 加速が本当に凄いですよね。2017年の日本選手権4×100mリレー予選で、多田選手が後方から一気にごぼう抜きにしていく姿を見て感動しました。やっぱり小学生のころから足は速かったですか?
多田 学校で2、3番くらいですね。
吉岡 それでも速いほうだと思いますけど、どこかの段階で記録が飛躍的に伸びたんですか?
多田 高校3年生の時に記録が伸びて、初めて出場したインターハイで6位に入賞したんです。それで大学でも陸上を続けようと思ったんですけど、大学に入ったらまた10秒5から10秒2まで一気に伸びたので、うわ、出たわみたいな感じで(笑)。その時点で日本人トップ選手をめざしたいと思うようになりました。
吉岡 他の選手と比べて、自分らしさはどこにあると思いますか?
多田 楽しんで走ることを心がけているので、人よりも楽しんで陸上に取り組めてるのかなと思います。練習もひとりより大勢でやるほうが雰囲気はいいですし、楽しんでやったほうが記録にもつながるんじゃないかなって。記録が落ちた時でも、仲間が大勢いれば楽しんでやっていけると思います。
吉岡 それでも悩んでしまうような時は、どうリフレッシュされるんですか?
多田 考えすぎると自分の走りができなくなるので、陸上のことは考えず、友達と遊んだり、趣味のカメラを持って旅したりして、心を落ち着かせます。
吉岡 カメラが趣味なんですか? 意外な一面(笑)。
多田 一眼レフにハマっていて、陸上部の友達と夜景を撮りに行ったりするんです。みんなで行くのが楽しくて、はしゃぎながらドライブして(笑)。
吉岡 なんですか、そのキラキラした大学生活は(笑)。でも気分転換になりそうですよね。
プレッシャーは感じない
吉岡 メンタル面は陸上競技にも関係しますか?
多田 はい、陸上はだいぶ関係すると思います。
吉岡 想像する以上にメンタルの部分が大きいんでしょうね。
多田 プレッシャーがかかるなか、メンタルが弱いと力を発揮できない場面もあるので、メンタルが強くなければ速く走れないと僕は思います。
吉岡 メンタルトレーニングもされてるんですか?
多田 僕はまったくしてないです。プレッシャーを特に感じないんですよね。
吉岡 ええー、凄い!(笑)。
多田 スタートラインに着くと自分の世界に入ってしまうので、走り終わってから驚くことが多いです。お客さん、むっちゃおるわみたいな(笑)。
吉岡 それだけ集中してるっていうことですよね。
多田 大きい大会は特に集中します。スタート前は無音の世界ですね。ピストルの音だけに耳を澄ましていて。
吉岡 私は、たとえばお芝居の直前だと、どんな芝居をやろうかとか、今はこういう気持ちだとか、あれこれ考えると絶対に失敗するので、まったく別のことを考えるんです。「よーい、スタート!」の声がかかるまでは別の世界にいて、はじまった瞬間にお芝居の世界へ入るようにしようって。どうですか、走る直前は?
多田 試合の時は何も考えないです。練習ではある程度本番のことを想定するんですけど、本番はがむしゃらに走るだけだと思っているので。
吉岡 いっしょですね! 本番直前は頭で考えないほうが全力を出せる気がしますよね。
多田 そうですね。直前に考えるとごちゃごちゃして、走りが乱れてしまうことが多いので、なるべく考えないようにしています。
吉岡 これまでに挫折感を味わったことはありますか?
多田 大学1年生の時、先ほどお話しした10秒2を出したレースで、ゴール直後にこけてしまって。左膝の後十字靱帯を損傷してしまったんですね。その後、3、4ヶ月、走れなくなってしまったんですけど。
吉岡 わあ…、きついですね。
多田 その時期は苦しかったです。でも自己記録が出ていたので、しかもシーズンの終わりの時期だったし、しっかり追い込めば来年も絶対に行けると思って、ポジティブに取り組みました。だから特に落ち込むことはなかったですね。
吉岡 でも3、4ヶ月も走れないとなると、筋力が落ちたり感覚が鈍ったりしますよね? 復帰して、最初に走った時はどんな感触でしたか?
多田 最初の試合は予選でも組の最下位だったんですね。
吉岡 うんうん。
多田 その時はけっこうショックでした。10秒6か10秒7くらいかかったので、ちょっとしょんぼりしてしまって。
吉岡 それは落ち込みますよね。
多田 でも次第に走れるようになって、キレもだんだん増していったので、走り自体が変わってしまうことはそんなになかったです。
東京では個人でメダルを
吉岡 お話を聞いてると、多田選手は本当にポジティブですよね。いつもポジティブでいることってすごく難しいと思うんですけど、普段は何をイメージしてるんですか?
多田 練習でも他の選手を目標にするとか、必ず目標を掲げて練習するようにしています。レース前も絶対に勝つイメージを持ちながらレースに臨んでいて、そういう心がけがポジティブな気持ちにつながっていくのかなって思います。
吉岡 ちなみに目標にする選手やライバルはどなたですか?
多田 日本人トップ選手の桐生祥秀さんや山縣亮太さん、ケンブリッジ飛鳥さんにサニブラウン・アブデル・ハキームくんは本当に強いので、勝手に意識してますね。
吉岡 桐生選手が日本人初の9秒台を出したレースで、いっしょに走っていた多田選手が、喜ぶ桐生選手の姿を見つめていたのが印象的でした。
多田 やっぱり9秒台を出された時は悔しかったです。目の前で見ていたので。でもその記録を越えられると思っていないと絶対に勝てないので、次は勝つという気持ちで練習しています。
吉岡 素敵ですね。大きな目標としては、2020年の東京オリンピックがあると思います。
多田 はい、絶対に個人でメダルを獲りたいです。リレーは世界陸上で銅メダルを獲っているので、東京では金で飾りたいなって。
吉岡 今回すごく楽しくお話しさせていただいて、東京オリンピックはきっと友達のような気持ちで応援すると思います。「行けー!」って(笑)。多田選手の一番好きな言葉は何ですか?
多田 やっぱり「楽しむ」ですね、僕は。
吉岡 それが表情に出てますもんね。ずっとニコニコされていて、周りも釣られてニコニコしちゃいます(笑)。それは誰かの教えですか?
多田 たぶん高校時代の仲間がいい友達ばかりだったので、それが影響してるのかなと思います。陸上はその時からずっと楽しいので。
吉岡 ストイックになりすぎず、常に楽しみを見つけながらやる。スポーツだけでなく、他のことにも通じるヒントがそこにはあるような気がしますね。