※ 本ページの掲載内容は2010年3月時点のものです。

化粧品メーカーだからこそ生まれた環境技術があります。

私のいるグループは、様々な研究分野から集まった研究員が、自分のバックボーンをベースに、化粧品の生産から廃棄までのあらゆるシーンにおいて環境に貢献できる技術を開発する部署です。私は10年間スキンケア製品の研究開発をしてきましたが、あらためてエコロジーの視点で製品を見つめてみると、改善すべき点が山ほど見えてきたのです。そのひとつが、乳液の製造プロセスでした。

「すべての原料を加熱し乳化させた後、冷やす」というのが従来の製造プロセス。でも熱してまた冷やすのはエネルギーがもったいない、このロスをなんとかしたいと思いました。解決のヒントは、アイスコーヒー。熱くて濃いコーヒーを氷の入ったグラスに注いで薄めて冷やす、この原理と同じように「熱くて濃い乳液」をつくり、常温の水で薄めればいい。しかし、いざ実験をしてみると乳液の粘度にならず、固いクリーム状になってしまう。水と油を混ぜる際の最適な比率や温度の調整をひたすら繰り返す、さらに実験上はうまくいっても、工場ではうまくいかない。それでも決して諦めることなく研究と生産それぞれの知識とノウハウを結集し、丸2年かけて、やっと実用化にこぎつけました。

加熱と冷却を伴うプロセスは、化粧品の製造に限ったことではありません。他の製造業もこの技術を用いれば、もっと大きな環境効果につながります。化粧品メーカーの技術が、環境に貢献できることはまだまだある。これが資生堂の環境技術、と胸を張れる技術開発に、これからも挑戦していきたいですね。

つくるプロセスをエコにする、という新しい視点。

乳液の製造は、水や保湿剤、油分などすべての原料を加熱し、乳化させた後に熱交換器で冷却する方法が長年の常識となっていました。しかしエコの視点で見つめ直すと、加熱や冷却に要するエネルギーが多大であることに気づいたのです。そこで、ほんの一部の原料のみを加熱し「濃い乳液」を作り、残りの常温の原料と混ぜて自然に冷ます製造プロセスにしました。

このことで、製造時に21.7トン(年間)のCO2排出量を削減できる見込みです※。さらに製造プロセスを単純化することで製造時間の削減にもつながりました。

通常は新しい技術を開発する場合、特別な原材料や設備の導入を伴うことが多いのですが、この技術は新たな投資がいらず、すぐに活用できることも大きな利点。低エネルギー製造は現在、ばら園ローズボディーミルクRXに活かされています。他の製品にも順次導入していく予定です。
※対象となる乳液をすべてこのプロセスに切り替えた場合の数値

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