過去の展覧会

カチョー×ヤノベケンジ

展覧会のタイトル“ex-”は「外へ」という意味を持つ接頭語で、extend, excite, exposeなど、様々な言葉が連想されます。“ex-”という言葉に、新しい世紀に向けてギャラリーの取り組む姿勢を込めました。世界的に活躍している気鋭のアーティスト、Kcho(カチョー)とヤノベケンジの2人が、新ギャラリーの空間を最大限に活用する新作インスタレーションを発表します。「輝かしい未来」という大いなる物語を語ることが困難な今、繁栄と災厄を生み出した現代社会の現実を見据えたうえで未来へ踏み出して行こうとする強い意志を感じさせる2人の作品を通じて「物語の復活の可能性」を問いかけます。

■KCHO

カチョーは舟をモティーフにした作品をつくり続けているキューバ人のアーティストです。1970年にハバナの南50kmのところに位置する島、青年の島で生まれたカチョ−にとって、舟はとても身近な存在です。アトリエを持たない彼は、ハバナ市内の川に係留されたモーターボートで多くの時間を過ごし、そこで作品のアイデアを考えています。複雑な政治的背景を持つキューバに住み、多くのボートピープルが危険な航海に出た頃にアーティストとしての活動を始めたカチョーの作品は、キューバという国、キューバの人々が置かれている状況と分かちがたい関係を持っています。二十代前半からキューバ国内外で多くの展覧会を行い、1995年に第1回光州ビエンナーレで大賞を受賞、第11回シドニー・ビエンナーレ(1998年)、第48回ヴェニス・ビエンナーレ(1999年)など世界各国の大規模な国際展にも招待され、国際的に高い評価を得ています。本展覧会では、空き瓶を並べて海に見立て、そこに古い舟や桟橋が浮かぶ、彼の代表的な作品シリーズ "Para Olvidar"(スペイン語で「忘却のために」の意)の新作と、これまでになかった、舟を壊した形の作品を出品する予定です。新たな展開を予感させる新作は、既存のものを断ち切って前進する決意を表しているかのようです。

■KENJI YANOBE

ヤノベケンジは、1965年に大阪で生まれました。子どもの頃に、「未来の廃墟」となった1970年の大阪万博会場跡地を遊び場にした原体験から、生き残ることをテーマに、自己防衛のための装置的な作品を制作しています。ヤノベの作品は鑑賞者が実際に中に入ったり、動かしたりして体験できるものが多く、扱われるテーマは深刻でありながら、作品自体はどこか誇大妄想的で、愉快な印象さえ与えます。近年は目に見えない放射線の恐怖を視覚化し、それを体感できる一連の作品を制作しています。1997年には自らその作品である“アトムスーツ”を身につけて、原子炉融解事故後のチェルノブイリを訪れ、多くの写真作品を制作しました。ヤノベは日本をはじめ世界各国で個展を行うと共に、「どないやねん」(フランス国立高等美術学校、1998年)、「共生する/進化するロボット」(NTTインターコミュニケーションセンター、1999年)、「日本ゼロ年」(水戸芸術館、1999‐2000年)など多数のグループ展に参加。また、現在大規模な個展がアメリカで巡回中です。本展覧会では、国内未発表のシャボン玉を発生させる作品シリーズ "Soap Bubbles Project"の新作と、近年続けてきた“アトムスーツ・プロジェクト”から発展した、巨大な幼児の人形が2本足で立ちあがるダイナミックな立体作品のインスタレーションを行います。


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