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life/art 01

資生堂ギャラリーでは本年より5年間連続で、今村源、金沢健一、須田悦弘、田中信行、中村政人の5作家によるグループ展「life/art」(ライフ・スラッシュ・アート)を開催します。1975年から95年にかけて、資生堂ギャラリーでは「現代工藝展」と題する工芸の展覧会を開催してきましたが、これは伝統工芸の作家を中心とする企画でした。「life/art」はこの「現代工藝展」を今日的に発展させた展覧会です。

「用と美」という言葉に示されるように、工芸は実用的価値と鑑賞的価値をあわせ持つ造形と考えられてきました。実用とは人間の生活に役立つということですから、工芸は生活と芸術のあいだに成り立つジャンルであるということもできます。しかし今日、現代工芸と呼ばれるものは実用性を切り捨てた純粋造形への傾きを強く持っています。また茶器や盆、箱など器物のかたちを持つ伝統的な工芸のなかにも、鑑賞本位の作品が数多く存在します。工芸の美術志向とも呼ぶべき動きです。

このような傾向に対して、美術には逆の動きが見出されます。「美術内美術」という言葉があるように、美術界の内部でしか成り立たないものになりがちだった現代美術のあり方に見切りをつけて、社会や生活と直接的に関わろうとする試みが見受けられるようになったのです。これは、美術が純然たる鑑賞物として自閉してしまったことに対する批判的な動きと捉えることができます。工芸と美術のこのような動向を捉えるためには、従来の「工芸」でもなく、また「美術」でもない、新たなジャンルを想定する必要があるのではないでしょうか。それは、おそらく「life(=生、生活)」と「art(=芸術、技術)」との関わりを問い直すことによって見いだされるはずです。

以上のような見方にもとづき、この未生のジャンルに「life/art」という仮の名前を与え、毎年晩秋に展覧会を開催していきます(タイトルの命名は美術評論家で資生堂ギャラリーアドバイザーの北澤憲昭氏)。2005年までの5年間、上記の5作家の新作を定点観測することで、この新しいジャンルの可能性を問い続けます。

本展では、大小ふたつの展示室を持つ資生堂ギャラリーの特性を生かし、毎年1作家が小展示室でインスタレーションを行い、他の4名が大展示室の空間を共有するという展示方式をとります。本年は、金沢健一が小展示室を使い、直径4メートルを超える大規模な「音のかけら」を発表します。


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