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T'ANG HAYWEN 墨の道 資生堂ギャラリーでは、青年時代から晩年までをパリで過ごした中国人画家、曾 海文(タン・ハイウェン 1927〜1991)の日本で初めての回顧展を開催します。

曾は1927年、中国の廈門(アモイ、現・シアメン)に生まれ、1937年に家族とともにベトナムのサイゴン(現・ホーチミン)に移住します。1948年、21歳のときパリへ留学し、以来一度も家族のもとへ戻ることなく、生涯をパリで過ごしました。

パリへの留学は医学を修めるためでしたが、もともと芸術に対する関心が強かった曾は独学で絵を描き始め、画家の道へと転進していきます。油彩による西洋絵画の技法の習得から始め、1960年代の末頃からは墨や水彩を画材に用い、道教の影響が感じられる抽象的で精神性の高い画面を作り出すようになりました。

日記のように日々絵を描き続けた曾は、用紙のサイズに頭を悩ます煩わしさを避けるため、一定のサイズの紙を用いていました。70×50cmの紙を横に2枚連ねたディプティカ(二連板)がその代表例です。古代ヨーロッパの伝統的なこの絵画形式を支持体として、墨でモノクロームの世界を表出する曾の手法は、一目で彼の作品と分かる独自性を備えています。

このようにユニークな仕事を続けた曾でしたが、年中旅に出ていることが多く、画家としての栄達を求めず自分の楽しみとして描き続けたため、生前はあまり世に知られた存在ではありませんでした。しかし1996年に台北市立美術館で、今年6月にはパリのギメ美術館で大規模な回顧展が開かれるなど、近年再評価の機運が高まってきています。

本展では、70年代の代表的なディプティカの連作と、水彩によるカラフルな小品を合わせて約50点紹介します。また曾のディプティカを何十枚も連写した実験映画『タン・ブギ』(1973年制作、トム・タム監督)も会場で上映します。


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