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福原コレクション 駒井哲郎作品展

2003年11月11日(火)〜12月14日(日)
資生堂ギャラリーでは、「銅版画の詩人」と謳われ現代版画のパイオニア的存在であった版画家駒井哲郎(1920-1976)の作品約150点を福原コレクションから紹介します。エッチングやアクアチントなどさまざまな技法のオリジナル銅版画とともに、ブックワークもあわせて展示します。

駒井哲郎は1920年(大正9年)、東京・日本橋の商家に生まれ、幼い頃から美術に親しみ、15歳で本格的に銅版画や素描を学びました。東京美術学校(現在の東京芸術大学美術学部)油画科に進み、卒業後もさまざまな銅版画の技法を習得し研鑚を積みました。当時まだ日本でなじみの薄かった銅版画を独自の表現で発表し、1951年(昭和26年)第1回サンパウロ・ビエンナーレで在聖日本人賞を受賞するなど活躍を重ね、1976年(昭和51年)56歳の若さで亡くなるまで、現代版画の先駆者として後進の教育にも力を尽くし、多くの後継者を育てました。

本展では、福原コレクションによる駒井哲郎の作品約150点を一挙に展示し、コレクションの全貌をながめながらその特色を浮かび上がらせ、版画家・駒井哲郎の画業の足跡をたどります。
福原コレクションには、駒井哲郎全作品の2割にも満たないといわれている色彩銅版画やモノタイプ(一点版画)のカラー作品が数多く含まれ、「白と黒の造形美」として黒単色刷で高く評価されていた駒井版画に、「色彩」というスポットをあて新しい魅力を膨らませました。また、このコレクションはいろいろな技法で試みられた銅版画を網羅しており、多面的で重層的な視点から駒井作品に迫ることのできる貴重なコレクションとして形成されてきました。作家の成長をたどるコレクションは作家亡き後も成長し、作家の輪郭を際立たせながら、今なお拡充されています。

一人の巧みな「コレクターの眼」が40年以上もの歳月をかけて、静かに熱く手繰りつづける美の探求の軌跡は、単に「コレクション=蒐集」という私的で趣味的な範疇をはるかに超越し、良質のプライベートコレクションがパブリックなものとして多くの人の心を捉え、さらに公共性と社会性をそなえたあらたな価値を創出していくことの検証でもあります。このような指針から、現在、福原コレクションは世田谷美術館に寄託され主に常設展示として一般に公開されています。

奇しくも本年、駒井哲郎が初めての個展を資生堂ギャラリーで開催してからちょうど50年目を迎えます。当時とは内外観とも大きく変わった資生堂ギャラリーですが、1919年(大正8年)の設立以来、ギャラリー運営の柱として掲げてきた「伝統の継承と革新の精神」を今一度確認し、よりエネルギッシュで魅力ある文化発信の「場」としてありつづけたいと考えます。

*株式会社資生堂 現名誉会長福原義春がライフワークとして40年以上にわたり蒐集している駒井哲郎作品のコレクション。2000年より世田谷美術館に寄託されています。


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