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Power Station

資生堂ギャラリーでは、シドニー在住のマレーシア人アーティスト、シムリン・ギルの東京での初個展を開催します。ギルは、ヴェニス・ビエンナーレ公式後援企画「トランスカルチャー」(ヴェニスおよび直島コンテンポラリー・アート・ミュージアム、1995)、国際巡回展「シティーズ・オン・ザ・ムーヴ」(1997)、ベルリン・ビエンナーレ(2001)、シドニー・ビエンナーレ(2002)といった主要な国際展に出品するかたわら、シドニー、クアラルンプール、ロンドン、ヘルシンキなどさまざまな都市でコンスタントに新作を発表しつづけています。

シムリン・ギルは、道端に捨てられている物や海岸に流れ着いた物などを用いた「オブジェクト・ワーク」で知られる作家ですが、近年は写真作品も精力的に発表しています。本展で発表される新作「パワーステーション」は、オブジェクト・ワークと写真を組み合わせたインスタレーションとなります。

「パワーステーション」は、ギルの生まれ故郷であるマレーシアのポート・ディクソンにある古い発電所(Power Station)と作家自身が生まれ育った家それぞれの内部を撮影した写真を向かい合わせに展示したものです。その様相や規模、機能からして両極にあるともいえる2つの建物ですが、これらは目と鼻の先に位置し、40年間近くも不思議な共存関係を保ってきました。
ギルは発電所の内部をカラーで、家の内部をモノクロで撮影し、それらを隣り合う2面の壁に左右対称に並べていきます。2つの建物の中にあるさまざまな空間を、視覚的あるいは機能的な類似性に従って組み合わせることによって(例えば浄水場とキッチン、タービン室と寝室といった具合に)、それぞれの場の特徴を際立たせています。

また、双方の建物は同じ海岸に面していますが、ギルはこの海岸を頻繁に歩き、砂浜に流れ着いたあらゆる物を数多く拾い集めています。木片や貝殻、動物の骨などの自然物から、プラスティック、ガラス、金属素材といった文明の産物までさまざまですが、波と砂にもまれたそれらの物はもはや互いに異質なものではなく、同じ風景の一部として静かに共存しているかのようです。2つの建物と同様、長い時間の流れを蓄積させてきたこれらの漂着物がギャラリーの床に散りばめられます。
巨大な建造物と、愛しい家。そしてそれらを繋ぐ海岸に漂着した物たち。「パワーステーション」は、流れ行く時間の中に静かに佇む場所や物を詩的に組み合わせたインスタレーションです。


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