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GO WATANABE TRANSPLANT資生堂ギャラリーでは渡辺剛「TRANSPLANT」展を開催します。

渡辺剛は、世界各地にある境界線で隔てられた二つの土地を撮影した「Border and Sight」のシリーズのように、一貫して、人間がかかわることで変容した風景をテーマとしてきました。
2001年、「手探りのキッス 日本の現代写真」(東京都写真美術館)、2003年、「旅―『ここではないどこか』を生きるための10のレッスン」(東京国立近代美術館)に出品するなど、近年注目を集めている写真家です。

本展では、新作「TRANSPLANT」をご紹介します。「TRANSPLANT」は、プランテーションと街の二つの風景によって構成されています。
プランテーションは、18世紀から19世紀にかけての植民地政策によって生まれた、大規模農園の風景を撮影した作品です。バナナやパームが生い茂る風景を、等身大以上の圧倒的なサイズでギャラリーの大展示室の壁面いっぱいに展観します。のどかな鳥のさえずりや、風の音さえ聞こえてきそうな美しい農園風景は、しかし、人の手を介して原産国より長距離を移動し、新しい環境の中で淘汰と融合を繰り返した植物の姿です。それらの植物はまた、植民地政策の中で、価値観や生活全般の変容を強いられた人々の存在をも示唆しています。

一方の街の風景は、世界各地の移民街や、かつての統治国の痕跡を残す街を撮影した作品です。赤い鳥居と教会が同居するブラジルの日系人居住地、あるいは、かつての統治国であるイギリス様式の建造物を見事にインド化してしまっているカルカッタの街など、異なった文化に出会った人間が、自らのアイデンティティーを守りながら異文化と共存しようとした結果の姿が写し出されています。さらに写真の上には国名を彫ったガラスが重ねられていて、風景と国家の概念を対比させることで意味深い作品となっています。

展覧会のタイトル「TRANSPLANT」は、文字通り「移植」を意味します。本来あるものに異なるものが入ってきた時、拒まれながらも融和していき、やがてはそれがまるでオリジナルであるかのように存在していくという変容が、植物と街の景観と作物である植物を通して見えてきます。そしてその奥には、私たち人間の営みが凝縮されているということを二つの風景は教えてくれます。

渡辺剛の作品は、自分たちを取り巻く環境や風景を今一度じっくりと振り返り、国家について、民族について、未来について考えるきっかけを私たちに与えてくれることでしょう。

■渡辺剛「TRANSPLANT」開催概要

会期: 2005年10月4日(火)〜11月27日(日)
会場: 資生堂ギャラリー
〒104-0061
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
Tel:03-3572-3901 Fax:03-3572-3951
平日 11:00〜19:00 日曜・祝日 11:00〜18:00 毎週月曜休
入場無料

渡辺剛〈わたなべごう〉

1954年
東京生まれ
1974年
東京写真専門学校 卒業

個展

1996年 「木造の景観」 秋山画廊 東京
「木造の景観」 コバヤシ画廊 東京
1998年 「Border and Sight」 ギャラリ-山口 東京
2000年 「Border and Sight」 ヨコハマポートサイドギャラリー 神奈川
「Border and Sight」 ギャラリー山口 東京
2002年 「Japan5-O」 ギャラリーGAN 東京

グループ展

2001年 「Oh, Europe!」 オランダ写真美術館 ロッテルダム オランダ
「手探りのキッス 日本の現代写真」
東京都写真美術館/丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 香川
2002年 「イレブン・イレブン・コリア・ジャパン・コンテンポラリーアート2002」
省谷美術館 ソウル 韓国
2003年 「旅―『ここではないどこか』を生きるための10のレッスン」
東京国立近代美術館
パブリックコレクション
東京都写真美術館
ジョイ・オブ・ギビング・サムシング財団  ニューヨーク アメリカ

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