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辰野登恵子展 抽象-明日への問いかけ

資生堂ギャラリーでは、2011年8月23日(火)から10月16日(月)まで、日本を代表する女性アーティストの一人、辰野登恵子の個展を開催します。辰野は今春、パリの版画工房に滞在し、自身初となる石の版を使ってのリトグラフ制作に挑みました。本展では、その成果である新作リトグラフ(石版)と、帰国後に制作した新作油彩画をご紹介します。

辰野登恵子は1950年生まれ。東京芸術大学大学院を経て、1995年東京国立近代美術館で女性初、また史上最年少で個展を開催するなど、現代の日本モダニズム絵画を牽引し、今もなお新たな表現を模索し続けているアーティストです。資生堂ギャラリーでは2001年から5年間「第五次椿会*1」のメンバーの一人として活動しました。
一貫して抽象表現を追求し、豊潤な色彩と幾何学や有機的形態で、豊かな奥行きと空間の揺らぎを感じさせる油彩画で知られる辰野は、シルクスクリーン版画の技法を絵画の手段として使うことで画家としての仕事をスタートさせました。以来、版画と油彩画の世界を往還しながら制作活動を続けています。
本展開催にあたり、辰野はパリの版画工房「IDEM*2」に本年の2月から3月の約1ヶ月にわたって滞在し、現在では稀少となった本格的な石灰石の版を使ってのリトグラフ(石版画)制作に挑戦しました。
辰野がこれまでに手がけた版画は、シルクスクリーン、木版、エッチング、アルミ版を使ったリトグラフ*3など多岐にわたっていますが、経験豊かな辰野にしても石版を使ってのリトグラフ制作は初めての挑戦でした。加えて、やはり初めての経験となるパリの工房システムの中で、辰野は試行錯誤を繰り返しながら、抽象表現の、また版画の新たな可能性を予感させる力強い作品を生み出しました。

本展では、新作石版画約10点と、500号の大作をはじめとする新作油彩画を展観します。
パリで暮らし、現地の版画職人たちと共に自身の制作活動の原点ともいうべき版画で、未知の技術に挑戦した約1ヶ月は、辰野の世界にどのような変化をもたらしたでしょうか。
辰野登恵子が切り開く新たな抽象表現をどうぞお楽しみください。

*1 「椿会」は、第二次世界大戦後間もない1947年(昭和22)より、時代とともにメンバー構成を変えながら60年以上継続している、資生堂ギャラリーの活動を代表するグループ展です。
*2 「IDEM」は、現在では稀少となった石版でのリトグラフ制作が可能で、ピカソやマティス等20世紀を代表するアーティストが制作したムルロー工房の流れをくむ由緒ある版画工房です。
*3 18世紀末に発明されたリトグラフは、ギリシャ語の石を意味するリト「litho」からその名がついたことでも明らかなように、石の版を使用するプリント技術でした。しかし現在では利便性の高い亜鉛版やアルミ版を使用して作られることが一般的であり、日本国内はもとよりフランスにおいても、高度な技術と設備を要する石版を使用してのリトグラフ制作は非常に希少なものとなっています。

  • 辰野登恵子
  • 1950 長野県生まれ
  • 1974 東京藝術大学大学院を修了
  • 1996 第46回 芸術選奨文部大臣新人賞
  • 現在 多摩美術大学教授
  • 「AIWIP-17」2011 リトグラフ(石版)

  • 「AIWIP-16」2011 リトグラフ(石版)

主な個展

1973 村松画廊 東京('74、'75年)
1978 ギャラリーたかぎ 愛知('85、'86年)
1987 アート・ナウ・ギャラリー イェーテボリ、スウェーデン
1989 佐谷画廊 東京('93、'95、'97年)
1995 「辰野登恵子1986-1995」展 東京国立近代美術館
2001 西村画廊 東京
2005 シュウゴアーツ 東京
2006 珍画廊・ジーンアートセンター ソウル、韓国
2010 BLD GALLERY 東京

主なグループ展

1979 「第11回東京国際版画ビエンナーレ展」東京国立近代美術館
1984 「現代美術への視点〈メタファーとシンボル〉」東京国立近代美術館/国立国際美術館 大阪(-'85)
1989 「ユーロパリア1989ジャパン」ゲント現代美術館 ゲント、ベルギー
1994 「戦後日本の前衛美術」横浜美術館/ニューヨーク・グッゲンハイム美術館ソーホー/サンフランシスコ近代美術館(-'95)
1995 「視ることのアレゴリー〈1995:絵画・彫刻の現在〉」セゾン美術館 東京
2001 「椿会展 2001」資生堂ギャラリー 東京('02-'05年)
2004 「痕跡〈戦後美術における身体と思考〉」京都国立近代美術館、東京国立近代美術館(-'05)
2009 「女性アーティストと、その時代」資生堂ギャラリー 東京
2010 「陰影礼賛-国立美術館コレクションによる」国立新美術館 東京

主なパブリックコレクション

資生堂アートハウス(静岡)、愛知県立美術館、外務省、北九州市立美術館、高知県立美術館、国立国際美術館(大阪)、埼玉県立近代美術館、東京国立近代美術館、東京都現代美術館、福岡市美術館、横浜美術館、和歌山県立近代美術館、ソウル市立美術館(韓国)、フレデリック・R・ワイズマン美術財団(アメリカ)

■関連企画

辰野登恵子によるギャラリートーク

募集は終了しました。

日時: 2011年9月18日|日|14:00〜16:00   (9月9日|金|締切)
場所: ワード資生堂 (東京銀座資生堂ビル9階)
内容: パリでの滞在制作報告
定員: 60名  無料
お問い合わせ: 資生堂ギャラリー  tel.03-3572-3901 fax.03-3572-3951

■「辰野登恵子展 抽象-明日への問いかけ」 開催要項

主催:
株式会社資生堂
協力:
IDEM
会期:
2011年8月23日(火)〜10月16日(日)
会場:
資生堂ギャラリー
〒104-0061
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
Tel:03-3572-3901 Fax:03-3572-3951
平日 11:00〜19:00 日曜・祝日 11:00〜18:00
毎週月曜休(祝日が月曜日にあたる場合も休館)
入場無料

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