過去の展覧会

李傑(リー・キット)展 The voice behind me

資生堂ギャラリーでは、2015年6月2日(火)から7月26日(日)まで、台北在住の香港人アーティスト、李傑(リー・キット)の個展「The voice behind me」を開催します。

リー・キットは、1978年香港生まれ。2008年まで香港中文大学美術学部修士課程にて学んだ後、国内外の展覧会に数多く参加してきました。2013年のヴェネチア・ビエンナーレでは香港館の代表に選ばれ、ウォール・ストリート・ジャーナルで「ビエンナーレ必見ベスト5のアーティスト」に挙げられました。これを機に世界中から注目を集めたリーは2015年には第12回シャルジャ・ビエンナーレ(アラブ首長国連邦)に参加、2016年にはゲント現代美術館(ベルギー)やウォーカー・アート・センター(アメリカ)での個展が予定されるなど、ますます精力的に作品を発表しています。

リーは、布やダンボールに描いた絵画、ライトやタオルハンガーのような既製品と絵画を組み合わせた作品、映像と絵画を並べた作品など、日常の一部と見紛うさりげない作品を制作しています。淡いパステル調の色使いを特徴とするそれらは一見、日常性を礼賛しているようにみえます。しかしリーの問題意識は、身の回りの社会や政治状況にも及んでいます。学生だった2003年には、香港政府が新型肺炎SARS流行のために外出禁止令を出したことへのささやかな抵抗として、自らがチェック柄を描いた布を敷いて友達とピクニックを行いました。また自宅のテーブルの表面を指でひっかき続ける様子を映像や写真でとらえた「Scratching the table surface」(2006年-2011年)には無意味に思える行為を通じ、高度経済成長以降、効率のみを追求するようになった都市への静かな批判を込めています。

リーは本展において不安、孤独、呼吸などをキーワードとしています。その背景には、政治や社会的格差へのフラストレーション、日常生活に伴うストレス、逃れようのない孤独などがあります。香港、台北、ロンドン、東京などリーが一定期間滞在したことのあるどの都市でも感じるものというこうした感情は、ネガティブに捉えられがちです。しかしリーは「悲観的であることは楽観的でもある」と言います。現状に押しつぶされることなく、したたかに生きていくには、このような柔軟な態度が重要となります。リーが「The voice behind me」という本展のタイトルについて、自分が慣れ親しんでいると同時に疎外されていると感じる声が常に背後にあり、その存在はほとんど耐え難いが、受け入れるしかないと言っているのもこのような態度の現れでしょう。閉塞感のある状況の中で深呼吸はできなくとも、呼吸を続けることはできる、そこにまだ希望はあるとリーは考えているのかも知れません。

本展では「Scratching the table surface」を含むこれまでの代表作数点の他、新作として、テキストを施した布に描いた絵画、ダンボールに描いた絵画、ギャラリーの空間に合わせた映像作品など約10点が展示されます。リーの作品は声高にメッセージを放つことはなくとも、洗練されたウィットを含みます。高度経済成長を経た今、転換期に直面する日本人にとって、時代と向き合うための示唆に富む展示にぜひご期待ください。

李傑(リー・キット) 略歴

1978 香港生まれ 台湾・台北在住
2006 - 2008 香港中文大学美術学部修士課程在籍

主な個展

2015 We’ll never go back again, Mirrored Gardens, Vitamin Creative Space, Guangzhou, China
2014 By the way, ShugoArts, Tokyo, Japan
‘You.’ – Response show of Venice Biennale, Cattle Depot, Hong Kong
2013 ‘You (you).’, Venice Biennale, Venice, Italy
Not Swinging, Project Fulfill Art Space, Taipei, Taiwan
2012 ‘It’s not an easy thing.’, Arrow Factory, Beijing, China
House M, The Pavilion, Vitamin Creative Space, Beijing, China
‘Can you puff that sound away?’, Chi-wen Gallery, Taipei, Taiwan
‘Every breath you take.’, Min Sheung Modern Museum, Shanghai, China
2011 ‘Henry.’ (Have you ever been this low?), Western Front, Vancouver, Canada
‘How to set up an apartment for Johnny?’, Osage Gallery, Art Statements, Art Basel 42, Switzerland
1, 2, 3, 4…, Lombard Freid Projects, New York, US
2010 ‘Well, that’s just a chill.’, ShugoArts, Tokyo, Japan
2009 Someone Singing and Calling Your Name, Osage Soho, Hong Kong
Suit-case, Galleria Dell’ Arco, Palermo, Italy
2008 ‘My Pillow seems like a bed, a pillow seems like my bed.’, Cheng Ming Building, The Chinese University of Hong Kong, Hong Kong
2007 3 / 4 suggestions for a better living, Para/Site Art Space, Hong Kong.

主なグループ展

2014 Room Service, Staatliche Kunsthalle, Baden Baden, Germany
The Part In The Story Where A Part Becomes A Part of Something Else, Witte de With Centre for Contemporary Art, Rotterdam, The Netherland
2013 HUGO BOSS ASIA ART, Rockbund Art Museum, Shanghai, China
Asian Art Biennial, National Taiwan Museum of Fine Arts, Taichung, Taiwan
2012 The Ungovernables, New Museum, New York, US
Print/Out, MoMA, New York, US
2011 The Wedding Banquet, Para/Site Art Space, Hong Kong
Except why not just come right out and say it, Collector House, Heerlen, Netherlands
2010 No Soul For Sale, Tate Modern, London, UK
2009 Platform 2009, Kimusa site, Artsonje Center, Seoul, Korea
2008 Sprout from White Night, Bonnier Konsthall, Stockholm, Sweden
3th Guangzhou Triennial, Guangzhou, China
2007 Prison Art Museum, Victoria Prison, Hong Kong

受賞/レジデンス

2012 Art Futures Award, Art HK, Hong Kong
2007-08 Wellington Asia Residency Exchange, Wellington, New Zealand
2003 Cheung’s Fine Arts Award (painting), The Chinese University of Hong Kong, Hong Kong

■作品写真

作品写真
man in suit 2014
Copyright the artist, Courtesy ShugoArts
Photo by ANPIS FOTO
作品写真
it doesn't help me 2014
Copyright the artist,
Courtesy ShugoArts
Photo by Shigeo Muto
作品写真
Installation of ‘You (you).’ – Lee Kit, Hong Kong at the 55th International Art Exhibition La Biennale di Venezia 2013
Courtesy the artist, M+, WKCDA and HKADC
Photo by David Levene
作品写真
An afternoon 2014
Copyright the artist,
Courtesy ShugoArts
Photo by Shigeo Muto

■関連企画

募集は終了しました。

① 李傑(リー・キット) プレス向けトーク 終了しました。
※日英逐次通訳付き
日時: 6月2日(火) 15:00-17:00
会場: ワードホール(東京銀座資生堂ビル9階)
定員: 60名(お申し込み多数の場合は抽選となります。)
参加費: 無料
お問い合わせ: 資生堂ギャラリー
tel. 03-3572-3901 
fax. 03-3572-3951
(11:00~18:00 月曜休)
② 李傑(リー・キット) ギャラリーツアー 終了しました。
リー・キット氏が本展の作品について解説します。
※日英逐次通訳付き
日時: 6月6日(土) 14:00-14:30
参加をご希望の方は、時間になりましたら会場にお集まりください。
会場: 資生堂ギャラリー
参加費: 無料
お申込み不要
※予告なく内容が変更になる場合があります。
※やむを得ない理由により、中止する場合があります。

■李傑(リー・キット)展
 The voice behind me 開催要項

主催: 株式会社 資生堂
協力: ShugoArts
会期: 2015年6月2日(火)~ 7月26日(日)
会場: 資生堂ギャラリー
〒104-0061
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
Tel:03-3572-3901 
Fax:03-3572-3951
平日 11:00~19:00 
日曜・祝日 11:00~18:00
毎週月曜休
(月曜日が休日にあたる7月20日も休館)
入場無料