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2018年03月05日

発行元:(株)資生堂

経営・業績

資生堂、「 新3カ年計画」(2018年~2020年)を策定

~世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニーへの成長加速~

資生堂は、今年からスタートする「新3カ年計画」(2018年~2020年)を策定しました。
2014年に策定した6年間の中長期戦略「VISION 2020」の実現に向け、前半3カ年となる2015年~2017年を「事業基盤の再構築」の期間と位置づけ、国内外の各事業の構造課題を徹底的に解決し、積極的なマーケティング投資を実行しました。その結果、2020年に目標としていた売上高1兆円超を2017年に達成し、営業利益も過去最高の実績となりました。2030年に向けて、日本・アジアでの高いプレゼンスを維持しながら、グローバルプレステージ化粧品市場3位以内のポジション獲得に向けて、2018年から始まる後半3カ年は、「成長加速の新戦略」の実行期間としています。プレステ―ジブランド※1事業を核としながらデジタル化の加速、M&Aにより当社に加わったブランドやテクノロジーとのシナジーを最大限に発揮しながら、さらなる投資も強化していくことで、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」へと進化していきます。
※1 プレステージブランド…「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「IPSA」「NARS」「bareMinerals」「Laura Mercier」「Dolce&Gabbana」など

新3カ年計画(2018年~2020年)の目標

中長期戦略「VISION 2020」の第2フェーズである新3カ年計画では、各地域のお客さまニーズに対応したブランド戦略を徹底し、積極的なマーケティング投資を継続しながら、デジタライゼーションの加速や新事業開発、さらにイノベーションによる新価値創造を進めていきます。そして、すべての価値を生み出す人材こそが成長の源泉と考え、人材への投資を積極的に行っていきます。さらに、グローバル経営体制の進化を通じ、3カ年売上高CAGR※2 8%超を達成することにより、最終年である2020年に売上高1兆2,000億円超、営業利益1,200億円超、ROE14%超をめざします。
※2 CAGR…年平均成長率

新3カ年計画で取り組む重点戦略~Building for the Future~

(1)ブランド事業のさらなる「選択と集中」
プレステージファースト戦略を軸に、成長性の維持・拡大とコスメティクス・パーソナルケアブランド事業のアジアにおける成長を加速します。さらなる飛躍に向け、2017年に対して3年間累計で約1,200億円規模でのマーケティング投資を強化します。

①プレステージファースト戦略・・・世界のプレステージ市場において、当社の強みであるスキンケア商品の売上成長によって収益基盤を強固なものとしながらシェア拡大を実現するため、メイクアップやフレグランスの売上成長を図ります。画期的な新製品の導入、既存流通と協働した商品展開、店頭カウンターの刷新、ブランドショップの展開の強化、そして、SNSなどを活用したデジタルでの情報発信を通じ、ブランドを体感していただく機会をさらに増やしていきます。また、主に中国のお客さまを対象として、これまではアジア全域で展開してきたクロスボーダーマーケティングを、今後は全世界に拡大していきます。

②コスメティクス・パーソナルケアブランドのアジア戦略・・・アジア市場ではプレステージブランドに加え、現在日本を中心に展開している「エリクシール」「アネッサ」「SENKA」「インテグレート」の4つのブランドを中国やその他アジア地域でも注力していきます。各地域のお客さまのニーズをとらえるために研究開発を拡充し、付加価値の高い商品開発や流通との協働を通じ一層ブランド力を高めていきます。

供給体制の再構築を目的に、生産体制の強化、新工場の建設、サプライヤー各社との協業強化など、マーケティング投資とは別に3年間累計で1,300億円の設備投資を実施します。

(2)デジタライゼーションの加速・新事業開発
Eコマース(EC)においては、全世界で主要ECサイトとの連携を強化するとともに、店頭における顧客データとの統合を実現し、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)を進めます。
ビジネスオペレーション基盤の整備のために、社員の専門能力開発に取り組みながら、各地域本社間のビジネスプロセスとの連動、ITプラットフォームの統合やデータの一元管理を進め、3年間累計で約270億円を投資します。
新事業開発では、お客さまの一人ひとりのニーズに合わせた価値提供を実現するため、パーソナライゼーションへの対応を強化していきます。優れたデジタル技術(IoTなど)と既存ビジネスを掛け合わせることによって、新しい商品・消費者体験を生み出していきます。

(3)イノベーションによる新価値創造
これまで培ってきた当社の知見と、M&Aなどによるブランドやテクノロジー、専門性の高い人材との融合により、イノベーションを生み出し、化粧品のみならず、人工皮膚、毛髪・皮膚再生、先端美容など新領域を創出し、革新的なビジネスモデルを構築します。研究開発領域では、2020年には売上高に占める研究開発費比率3%、研究所員数を1,500人に増やします。また、グローバルレベルでの研究開発力の最大化に向け、世界中のイノベーションセンターの拠点となる「グローバルイノベーションセンター」が横浜・みなとみらい21地区に2018年12月より稼働する予定です。

(4)世界で勝つ、人材・組織の強化~PEOPLE FIRST~
将来を担うグローバル人材の育成に向けて若手を対象としたMBAプログラムの実施、マネジメント人材育成のためのリーダーシップ研修プログラムの強化、2018年10月より取り組む英語公用語化に向けた研修の実施などに加え、全世界の社員を対象とした研修施設を各地域本社に開設していきます。3年間累計で約140億円を投資する予定です。同時に、国内外のオフィス環境も刷新します。さらに、組織の多様性を加速するために、人材データベースを世界統一基準で整備し、グローバルモビリティを推進していきます。また、当社のビジネス特性を鑑み、2020年に国内の女性管理職比率40%をめざします。

(5)グローバル経営体制のさらなる進化
2016年より、6つの地域※3とブランドカテゴリーを掛け合わせたマトリクス型組織のグローバル経営体制がスタートしました。同時に、スキンケアは日本、メイクアップとデジタルは米州、フレグランスは欧州といった各カテゴリーで世界に影響力を持つ地域で戦略立案・商品開発をリードする「センター・オブ・エクセレンス(COE)」を整えました。
さらに2018年からは、新たなビジネスモデルの構築やデジタライゼーションをスピーディーに実現させるために「テクノロジーイノベーションセンター」をアメリカ・ボストンに設置するなど、それぞれで得た知見を各ブランドや全世界でのマーケティングに活かしていきます。
※3 6つの地域…日本、中国、アジアパシフィック、米州、欧州、トラベルリテール

地域本社における取組みの方向性

日本、中国、アジアパシフィック、トラベルリテールは、成長モメンタムを維持し、さらに加速して高収益性を維持します。米州、欧州については、収益性の改善に取り組み、営業利益率10%超をめざします。

日本:スキンケア、ベースメイクアップ、サンケアに注力/若年・団塊ジュニアの支持獲得/顧客接点の拡大強化
中国:プレステージブランドの成長加速/デジタル・ECの成長加速
アジアパシフィック:プレテージブランド成長加速/コスメティクス・パーソナルケア基盤構築への注力
米州:ベアミネラル収益性改善/最先端テクノロジーによる新ビジネスモデル創出
欧州:フレグランスの収益性向上/中東地域への本格展開
トラベルリテール:ブランドポートフォリオの充実/オペレーターとの協業強化

財務戦略

(1)株主還元
株主への利益還元については、直接的な利益還元と中長期的な株価上昇による「株式トータルリターンの実現」をめざしています。従来は、中期的に配当性向40%を目安としていましたが、2018年より従来以上にフリーキャッシュ・フローの状況を重視し、自己資本配当比率(DOE)2.5%以上を目安とした長期安定的かつ継続的な還元を実施します。また、自己株式取得についても、市場環境をふまえ機動的に行います。

(2)財務KPI
中長期的な企業価値向上をめざし、これまで以上に財務経営基盤を強固にするとともに、持続的な成長によるキャッシュ・フロー創出と、資本効率の向上を実行します。これにより2020年には、ROE14%超、投下資本利益率(ROIC)12%超、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)※4 100日以下をめざします。
※4 キャッシュ・コンバージョン・サイクル…売上債権回転日数+棚卸資産回転日数-仕入債務回転日数

(3)投資強化
2020年以降も持続的な成長を確かなものにすべく、2017年を含む4年間で累計3,500億円超の営業キャッシュ・フローを創出し、重点戦略であるITやサプライチェーンなどの設備投資に3年間累計で約3,000億円超を予定しています。

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。