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研究開発
Innovation

用具・機器開発

お客さまに価値を提供する形は中味基材によるものばかりではありません。化粧品の価値を高めるための容器機構の開発や美容機器もそれに当たります。資生堂では保有する知見を活かし且つ社外の技術も積極的に取り入れながら機構開発、機器開発にも積極的に取り組んでおり、いまやその成果は一般のお客さまに向けての商品にとどまらず、産業用の計測機器にまで反映されています。
ここではその具体例をいくつかお伝えします。

中味保護を目的とした容器機構開発:口元固化防止ディスペンサー

化粧品の中味を保護するのが容器の基本的な役割ですが、特殊な機構や構造を付与することでその機能を高め、従来の容器ではできなかった特長ある中味の製品化も実現しています。
たとえば、吐出口で中味の乾燥・固化を防ぐ口元固化防止ディスペンサー容器の開発もその一例です。

ディスペンサーは、その吐出操作が簡便であったり定量吐出が可能であるという利点から多くの製品に用いられていますが、一般的なタイプのものは吐出口が常時開放状態になっており、中味処方によっては中味が乾燥、固化する、といった理由から適用できないものもありました。そこで、この問題を解決すべく、本機構が開発されました。

この容器には、ボタンを押す操作による垂直方向のストロークの一部を吐出口の開閉弁を作動させる水平方向に変換するためのリンク機構が、小さなボタン内部に組み込まれています。これにより、操作感やサイズは一般的なタイプともさほど変わらないものとなっています。

口元固化防止ディスペンサー

特殊な機構をもつ美容用具:ハンドマッサージ器

ハンドローラーマッサージ器

化粧用具や美容用具でも特殊な機構設計により実現しているものもあります。エステティシャンの手の動きを極力簡便に再現できるよう作られた、ハンドローラーマッサージ器もそのひとつです。本器具を肌の上で動かすと、肌をつまみあげるような心地よい刺激を得ることが出来ます。

タイコ型ローラーで得られた回転力をギヤ比により設定された微妙な回転速度差でスパイラル型ローラーの回転軸に伝える機構となっています。さらにスパイラル型ローラーに設けられたリブを回転軸に対し適切な角度をつける、適度な摩擦係数を持つ素材を使用する、など、機構と共に、形状や材質を工夫することで、肌をつまみ上げる動きが得られています。

ハンドローラーマッサージ器の構造図

肌研究に裏付けられた電動美容機器の開発:『電動目元マッサージ器』

目元マッサージ器の構造図

資生堂では長年の皮膚研究の結果、様々な肌に関する知見を持ち合わせています。効果的な血行促進に関する知見もそのひとつです。その知見に基づき、手では難しい効果的な動きを電動により再現する、ポータブルタイプの電動マッサージ機器の開発も行っています。

振動子(プロトタイプ) 円筒型小型振動モーター

振動源には小型化と効率のため円筒型小型振動モーターを採用。振動子に供えた加重とバネ定数の適切な選定により、理論に基づく最適な押し圧と振動を、肌の柔軟性に合わせ心地よく付与することが出来ます。
実際に、本装置(プロトタイプ)の使用により血流が有意に上昇していることが確認されました。

開発機器(プロトタイプ)による血行促進効果

対象者:日常的にくまに悩んでいる20-30代女性12名
測定項目:血流測定(LSFG)
測定条件:洗顔後20分安静後、使用前・使用直後、5、10分後に測定
使用条件:機器を2分間使用

感性を正確に把握するため生まれた計測機器:指センサー

感性を正確に把握するため生まれた計測機器:指センサー

化粧品の評価や嗜好性は、中味の性能だけではなく肌に塗るときの指の力加減(触圧)や動き、リズムによって大きく左右されるものの、これまでは、それを的確に測定できる装置が存在しませんでした。
そこで、化粧品などを使用しながらでも肌に触れ合うときの指の力加減(触圧)と動きを同時かつ精密に測定することができるウェラブルな〝指センサー〟を世界で初めて開発しました。
((株)資生堂、カトーテック(株)、(株)テック技販との共同開発)

指センサー

それまでの測定装置は指の腹を覆ってしまうものがほとんどで、化粧品のように肌と指などが直接触れ合うときの状態を測定する場合には適していませんでした。本装置では触圧によって指の幅が変化することに着目、触圧を指の幅の変化としてひずみゲージにより計測するという新たなアプローチによってこれを解決、センサーが指腹を覆わないため触感を損なうことなく計測が可能となりました。それとともに、3軸加速度センサをひずみゲージとほぼ同一位置に設置、これにより繊細な動きと指の触圧を同時に精度良く測定することが可能となっています。

指指の触圧と接触面の幅の関係(参考)

指の触圧と接触面の幅の関係(参考)
※成人女性6名(F1~6)、成人男性3名(M1~3)にて測定

指センサー部の構成(プロトタイプ)

指センサー部の構成(プロトタイプ)

本装置は、商品開発(中味、容器、化粧用具、訴求ワード)や美容法開発にとどまらず、美容テクニックの習熟(スキルアップ)に向けても活用されています。さらに、触覚などのセンサーに関する研究領域で世界最高レベルの国際学会(World Haptics Congress 2011 IEEE:米国電気電子学会、2011年6月 トルコ・イスタンブールで開催)でも高い評価と注目を浴び、化粧品分野にとどまらず、医療・介護福祉、自動車、IT(家電)、素材などさまざまな分野への応用にも期待が寄せられています。

なお本装置は、カトーテック㈱より「ウェアラブル接触力センサー HapLog® (ハプログ、Haptic Skill Logger)」として販売されております。資生堂は、「感性を活かしたものづくり」「美容法の技術の標準化やお客さま満足の向上」「医療福祉の現場における技術や治療効果の数値化」など、「ものづくり」「教育伝承」「医療福祉」をキーワードにした新たな展開を図っております。

資生堂の知見を業界標準にまで高めることを目指した計測機器:SPF MASTER ®

SPF MASTER ®

SPFは日やけ止めの効果を表すサンケア指数として世界的に使用されています。現在、日本で用いられているSPFは、ヒトを被験者として背中に塗布した日やけ止めに紫外線を照射した時の肌の紅斑(炎症による赤み)を目視で判定する方法(ISO(国際標準化機構)SPF試験法)で測定されております(in vivo SPF測定)。この方法は日やけ止めが実際に使用される場面に近い試験法なので測定の原理としては妥当性が高いものの、被験者に紫外線を照射する負担を与えてしまうことや肌の赤み判定が主観的評価である等の課題があります。
そこで、資生堂ではこれまでの知見やデータに基づき、ヒトを被験者として用いることなく物性評価によって客観的に評価できる方法(in vitro SPF測定法)を確立し、社内のみでなく業界全体でも活用していただくことを目的として、in vitro SPF評価システム「SPF MASTER®」 を開発しました。

in vitro SPF測定装置「SPF MASTER®」

測定は、ヒトの肌の表面形状を模した専用基板に日やけ止めサンプルを塗布し、それに太陽光を人工的に再現した光源から紫外線を照射して、紫外線防御効果を評価する方法です。紫外線照射を行いながら紫外線防御効果を測定できる装置であるため、肌の上に塗布した日やけ止めの経時変化までも自動的に測定可能です。

測定用擬似人工皮膚基板

資生堂ではこの革新的な評価法を社外にも広く活用していただくとともに、国際標準規格を目指して積極的に活動を行っています。

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