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研究開発
Innovation

2001年度

第64回日本皮膚科学会東京支部 学術大会 イブニングセミナー

「体の臭いは皮膚科医が治す」

開催年月 :
2001年2月
共催 :
第100回日本皮膚科学会総会・資生堂

概要

1)開催主旨
「体の臭いは皮膚科医が治す」

原田 昭太郎氏(NTT東日本関東病院 副院長)

2)講演I
「腋臭症のメカニズムと新規腋臭防止剤について」

川島 眞氏(東京女子医科大学 皮膚科学教室 教授)

3)講演II
「腋臭症の治療」

稲葉 義方氏(稲葉クリニック 院長)


開催主旨
「体の臭いは皮膚科医が治す」

原田 昭太郎氏(NTT東日本関東病院 副院長)

原田 昭太郎氏 PHOTO

腋臭、足臭などの不快な体の臭いは、社会生活をする上で本人にとっては深刻な悩みであり、そのため皮膚科を受診することも多い。

今回は川島先生に「体が発生する臭いとその発生メカニズム」についてお話しいただき、あわせて「腋臭に効果のある新規腋臭防止剤」の臨床試験成績をご紹介いただく。続いて、稲葉先生には「腋臭症の治療」と題して、実際に腋臭症の患者さんが来院された場合の治療指針の立て方について先生の豊富な経験から具体的なお話をしていただく。

これらの講演を通して「臭いのメカニズムさえ知ってしまえばそれを上手にコントロールすることがでる」こと、そして「体の臭いは皮膚科医が治す」ということを改めて認識する機会にしたい。


講演I
腋臭症のメカニズムと新規腋臭防止剤について」

川島 眞氏(東京女子医科大学皮膚科学教室 教授)

川島 眞氏 PHOTO

腋臭、足臭、オジン臭と体の臭いにもさまざまあるが、その発生メカニズムを知り、治療法を学ぶ機会は皮膚科医にはそれほど多くない。しかし、軽症、重症を問わず腋臭症の相談を受ける機会はあり、その対応に苦慮することも多い。また足臭には真菌鏡検の際につらい思いをすることも多く、これらの体臭は皮膚科医にとって疎遠な存在ではなく、積極的な取り組みをすべき対象と思われる。特に腋臭は患者数も多く、手術療法までの必要性はないが、外用療法でのコントロールが望まれる例が日本人でも相当数あろう。

腋臭はアポクリン汗腺の汗・皮脂などの成分が常在菌の作用により、分解・変質して臭う成分に変化することによるが、腋臭と足臭では、検出される脂肪酸に違いがあり、後者にはイソ吉草酸が多いことが分かっている。また、オジン臭では脂肪酸の分解産物ノネナールが増加しており、体の臭いはその脂肪酸組成から部位により微妙に異なっている。これらの体臭の発生予防には、汗の分泌および分解抑制、消臭成分による無臭化とともに、抗菌剤の使用も有効である。このたび新規に承認された無機系抗菌剤である、銀・亜鉛・アンモニウム担持ゼオライトを含有する腋臭防止剤の日本と米国での臨床試験成績を紹介しながら、体の臭いに対する皮膚科医の役割をあらためて考えてみたい。


講演II
「「腋臭症の治療」

稲葉 義方氏(稲葉クリニック 院長)

稲葉 義方氏 PHOTO

腋臭症は腋窩部のアポクリン汗腺からの分泌物が皮表細菌によって分解され特有の臭いを生ずる。本症は優性遺伝にて受け継がれ思春期ころより発症することが多い。

一般的な対処法として、比較的軽症の症例においては腋窩部を清潔に保つ目的で殺菌作用を有する薬物による外用療法が用いられている。しかし外用剤は作用時間が短いため、中等~重症例では頻繁に使用する必要がある。さらには衣類に付着する黄ばみや流れ出るほどの多汗を伴うことが多く、これらの症状が患者の悩みをさらに増幅させている。

腋臭症を診断する際には、患者の悩みの内容と発症時期・家族歴・耳垢の状態などについての問診や臭いを実際に確認する必要があるが、最近では体臭を気にしすぎる傾向が若年者に見られ、たとえ軽症の腋臭であっても深刻に悩んでいる場合も多いことを念頭におく必要がある。さらに、腋臭が全く無いにもかかわらず自分が腋臭症と信じ込み周囲の人とのコミュニケーションがうまくいかなくなる自己臭妄想に悩まされている患者も少なからず見受けられる。その場合には両親を含めた患者との話し合いを行う必要があるが、最終的には精神科医の協力が必要になることもある。

本症の根治的治療法としてはアポクリン汗腺・エクリン汗腺・皮脂腺を一括して摘出する手術療法を行う必要があるが、現在行われている種々の方法の中には不確実な方法も多く見受けられ、各種手術法とその効果についても言及したい。

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