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研究開発
Innovation

2006年度

第105回日本臨床皮膚科医会総会 ランチョンセミナー

「医療と美容のコラボレーション」

-色素脱失を主訴とする患者のQQLをめざして-


開催年月 :
2006年6月3日
共催 :
第105回日本皮膚科学会総会・資生堂

概要

  1. 1) 座長から

    「はじめに」

    溝口 昌子氏(聖マリアンナ医科大学 名誉教授)

  1. 2) 白斑に対する医療と美容からのアプローチ

    坪井 良治氏(東京医科大学皮膚科 主任教授)

  1. 3) 白斑に対するメーキャップ指導のポイント

    大城 喜美子(資生堂ビューティーソリューション開発センター)


座長から
「はじめに」

溝口 昌子氏(聖マリアンナ医科大学 名誉教授)

尋常性白斑は、他人にも見えてしまう顔面、頸部、手背といった露出部に好発する疾患であるため、患者さんは美容上、社会生活上の大きな心の負担を感じています。加えて、皆様がご存知のように尋常性白斑は極めて難治性です。医学的治療としてステロイド外・内用、紫外線療法、皮膚移植などが行われていますが、完全に治らない、かえって目立つようになる、再発してしまうなどの問題点があります。最近開発されたnarrow band UVB療法は色素斑の形成を従来の紫外線療法より容易にし、本疾患の治療を進歩させましたが、まだまだ充分ではありません。
そこで、従来から化粧品を医学的治療に併用し、患者さんのQOLを向上させることが試みられてきました。メーキャップ化粧品やセルフタンニング剤(着色素剤)を用いて覆い隠すことを薦めてきましたが、厚化粧をしたように見える、衣服に付いてしまう、発色が難しいなどの問題が指摘されています。そのため、このような問題点を解決する新しいメーキャップ化粧品の開発が待たれていました。
本セミナーでは、今回開発された白斑用ファンデーションが、どの程度患者さんのQOLを向上させ、医療現場で我々皮膚科医を満足させられるかをお示ししたいと考えております。

まず、白斑の専門外来を開設している東京医科大学皮膚科主任教授の坪井良治先生に、ご講演頂きます。はじめに尋常性白斑の病態および現在の治療の問題点に触れて頂き、今回開発された白斑用ファウンデーションを尋常性白斑に使用した成績をお話し頂きます。実際の臨床写真と共に、これまで報告のないメーキャップ化粧品使用前後の定量化されたQOLのデータもお示し頂けると思います。

また、メーキャップアーティストとしてご活躍されている株式会社資生堂ビューティーソリューション開発センターの大城喜美子氏より、実際のメーキャップテクニックについてご講演いただきます。白斑を中心にお話頂きますが、その他の外見上悩みの深い疾患に対するメーキャップ指導も少し加えて、患者さんの QOL向上に貢献できる美容情報を提供して頂けると思います。


白斑に対する医療と美容からのアプローチ

坪井 良治氏(東京医科大学皮膚科 主任教授)

尋常性白斑は後天性に脱色素斑を生じる代表的な疾患で、臨床的には分節型と汎発型に分類され、病因としては自己免疫学的機序と非免疫学的機序の両面から研究が行われている。治療としては、従来実施されてきたステロイド外用療法やPUVA療法に加え、タクロリムス軟膏、Vit D3軟膏、narrow band UVB療法の有効性が最近報告されている。
東京医科大学病院では、従来より白斑の専門外来を設けて種々の治療法を試み、特に外科的表皮移植術においては世界に先駆けて実施してきた。
1986年から2000年にかけて表皮移植術を実施した110人の白斑患者について、施術3年後以降の色素再生や満足度をアンケート調査した。その結果 59名(男性19名、女性40名)から回答が得られた。約70%で色素再生が認められ、30%において長期に色調が正常化していた。ある程度以上の満足度は60%の患者において認められた。
また治療ではないが、患者の美容上、社会生活上の心の負担を軽減させる目的で、化粧品や医薬部外品を薬物治療に併用して使用し、患者のQOLを向上させることが試みられてきた。この目的のためにメーキャップ化粧品やセルフタンニング剤(ジハイドロキシアセトンなど)、病変部周囲の正常皮膚にハイドロキノン軟膏を外用してコントラストを減弱させる方法などが用いられてきた。
今回我々は、尋常性白斑患者23名に、新しく開発された白斑カバー専用ファンデーションを患者自身に継続使用させ、顔面の白斑部位をカバーしたときの QOL変化を検討した。疾患別QOL尺度としてSkindex-16及びDLQI、包括的QOL尺度としてWHOQOL26を用いた。また、メーキャップの満足度をVASにより評価した。メーキャップ前とメーキャップ2週間継続後のQOL調査の結果、Skindex-16、DLQI及びWHOQOL26のスコアは統計学的に有意に改善し(それぞれ、p<0.0001、p=0.0012及びp=0.0003)、メーキャップにより外見に関わる心理的不安が取り除かれ、社会関係までも改善することが明らかになった。
色素脱失を主訴とする疾患では見た目が気になることから、治療を継続する上で化粧による美容的な措置を施し心理的ストレスを軽減させることが重要であることが再確認された。


白斑に対するメーキャップ指導のポイント

大城 喜美子(株式会社資生堂 ビューティーソリューション開発センター)

資生堂では、顔面に皮膚疾患などがあり外観上の悩みを持つ方へ、メーキャップを通して社会参画支援をはかるセラピーメーキャップ活動を行っている。今回あらたに、本活動の一環として、白斑部位をカバーする専用のファンデーション「パーフェクトカバー ファンデーション VV」を開発した。
本講演では、白斑患者への実際の施術例を紹介しながら、具体的なメーキャップ指導のポイントを解説する。また、白斑だけでなくその他の疾患に対するメーキャップ指導についても簡単に触れたいと思う。今後、さらにセラピーメーキャップ活動を充実させ、外観上の悩みを持つ方のQOL向上に貢献できる美容情報を医療現場にも提供していきたいと考えている。
資生堂では、現在、セラピーメーキャップ活動を社会貢献活動として無償で行っている。ご共感いただける皮膚科医の先生方と一緒に、医療と美容のコラボレーションを実践していきたいと思う。

パーフェクトカバー ファンデーション VVの特長

白斑部分に薄く塗るだけで、光の色補正効果でしっかりカバーしながら、厚づきに見せない、自然な仕上がり感を実現する、白斑部のみに塗布する部分用ファンデーションです。 失われたメラニン色調を補うことに着目し、メラニン色素を演出する色材「メラノカラーパウダー」を開発、パーフェクトカバー ファンデーション VVに配合しました。パーフェクトカバー ファンデーション VVは1色ですが、塗布するファンデーションの量を調整することで、メラニン色調の濃淡が調節でき、健常肌と同等の色調に仕上げることが可能になりました。

メラノカラーパウダー:光を当てると、黄色の干渉光を反射する黒色の薄片状粉体

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