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研究開発
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2007年度

第106回日本皮膚科学会総会 イブニングセミナー

「子どもの紫外線対策を考える」

開催年月 :
2007年4月21日
共催 :
第106回日本皮膚科学会総会・資生堂

概要

  1. 1) 座長から
    「バランスのとれた子どもの紫外線対策を考える」

    錦織 千佳子氏(神戸大学大学院 医学系研究科 皮膚科教授)

  1. 2) 子ども向けサンスクリーンを考える

    上出 良一氏(東京慈恵会医科大学附属第三病院 皮膚科教授)

  1. 3) 小学校での紫外線対策を考える

    佐々木 りか子氏(国立成育医療センター 第二専門診療部 皮膚科医長)


座長から
「バランスのとれた子どもの紫外線対策を考える」

錦織 千佳子氏(神戸大学大学院 医学系研究科 皮膚科教授)

太陽光は暖かさ、明るさをもたらし、光合成、ビタミンDの活性化、殺菌作用といった大きな恩恵を私たちにもたらす反面、皮膚癌の原因になります。現在オゾン層の破壊により、紫外線発癌に寄与しやすい短波長側の紫外線が増えており、皮膚癌は増加傾向です。WHOでも2005年3月に最近の皮膚癌の増加傾向に懸念を表明しています。幼少時期の大量の紫外線暴露が後年の皮膚癌発症の最も大きなリスクファクターですが、子どもは、皮膚が薄いので紫外線が皮膚の深部まで到達し易いうえに、戸外活動が盛んです。子どものうちから太陽と上手につきあう術を学ぶことが重要です。
最近は、不合理なほど紫外線を忌避する母親もいる一方で、不用意に幼児に光線曝露させる場合もあり、バランスのとれた紫外線対策を皮膚科医から提言していくことも必要かと思われます。
そこで、本日は、専門家の二人の先生にご講演戴き、紫外線の功罪両面からバランスの良い紫外線対策を考えてみたいと思います。小児に対する紫外線対策を考える場合、光線過敏症の患者と健常な皮膚を持つ小児にわけて考える必要がありますが、光線過敏症患者では、原因波長の検索と、完璧な紫外線防御を行うことが治療の基本で、一概に論じられません。光線が原因となる疾患もありえるということを啓発し、教育現場でも柔軟な対応を望みたいと思います。
一方、健常な皮膚をもつ小児の一般的な対応ですが、保護者に加え、保育・教育現場での対応も重要となってきます。“青空の下で元気一杯遊ぶ”のも大事なことですが、小学生に上半身裸で炎天下長時間スポーツをさせるといった、不必要な紫外線曝露は避け、皮膚科医から、紫外線対策の必要性をわかりやすく示し、現場でのスキンタイプをも加味した紫外線防御への多様な対応を期待したいと思います。


子ども向けサンスクリーンを考える

上出 良一氏(東京慈恵会医科大学附属第三病院 皮膚科教授)

紫外線の皮膚に対する障害性について一般への啓発が行き届き、特に女性では紫外線防御は当たり前のことになっている。生涯に亘る総紫外線曝露量が光老化や皮膚癌の発生に結びつくことが明らかになった今、白人ほどではないにしても小児期からの紫外線防御を真剣に考えねばならない。生活習慣や衣類による防御に加え、サンスクリーンをどう使うかが課題である。小児が使用するサンスクリーンでは、全身ならびに皮膚への安全性、使用しやすさ、価格など大人用よりも厳しい要件が求められる。小児期における紫外線曝露の影響についての最近の知見をふまえ、小児用サンスクリーンの必要性、製品が備えるべき条件を考察すると共に、最近、小児対象に行われたサンスクリーンの使用試験結果も交えて、今後の子どもの紫外線対策のあるべき姿について考えてみたい。


小学校での紫外線対策を考える

佐々木 りか子氏(国立成育医療センター 第二専門診療部 皮膚科医長)

小児皮膚疾患患者の養育者は、子どもの紫外線防御対策に対する意識が高い人が多く、われわれは外来でしばしばサンスクリーンの選択の仕方や、使用法についての質問を受ける。しかし、母親の意志が自由になるのは幼児期までであり、子どもが就学すると学校の規則に従ってサンスクリーンは使用できなくなる場合が多いようである。とくに水泳授業ではプールの水が汚れるからという理由で、その使用が禁止されていると聞く。果たして学校の現状や認識はどうなのであろうか?
今回太陽紫外線防御研究会並びに日本小児皮膚科学会は(株)資生堂の協力で、全国小学校に紫外線防御対策の現状と、それに対する認識を調べるために、アンケート調査を実施したのでその結果を報告する。
また、世界各国での小児に対する紫外線防御対策の現状を調べて比較検討してみたい。
一方、近年、文部科学省は日本医師会を通じて、学校保健現場に、整形外科医、産婦人科医、精神神経科医、皮膚科医を専門相談医として参画させるためのモデル事業をいくつかの県や地域で展開してきており、皮膚科医も養護教諭・保護者・児童対象の講演会や授業を行う機会が増え、あるいは学校医として活動できる地域も出てきた。これと併行して各皮膚科関連の学会も、相互に連携をとって全国的な講演活動を積極的に展開しつつある。
今回、学校の現状を知ることにより、これらの学校での紫外線防御対策のあるべき姿を考え、また学校への働きかけの進め方を考えたい。

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