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研究開発
Innovation

代替法による保証

資生堂では化粧品の安全性を確認することに加え、近年の動物愛護に対する社会的な取り組みを考慮して安全性試験代替法の開発を進めています。生体内において生じているそれぞれの過程を試験管の中で再現することが一般的な代替法の開発方法です。

本ページ記載の代替法に関する問い合わせ先:株式会社資生堂 品質評価センター
E-mail:alternative@to.shiseido.co.jp

コラーゲンゲル試験・光コラーゲンゲル試験

ヒト皮膚線維芽細胞とコラーゲンにより作製した三次元培養真皮モデルを用い、細胞毒性の評価に活用しています。細胞毒性と相関があることが報告されている安全性の項目は、皮膚一次刺激性、眼刺激性、単回投与毒性です。被験物質は真皮モデルの上側から適用するため、非水溶性の素材でも試験することが可能です。
試験は、真皮モデル上に被験物質を一定時間適用(光試験の場合は紫外線照射・非照射で被検物質を一定時間適用)し、MTT試薬で生存細胞を染色します。切り出した一定量のゲル中に含まれる色素を抽出し、その吸光度を測定します。

コラーゲンゲル試験・光コラーゲンゲル試験

SIRC細胞毒性試験

株化細胞であるSIRC細胞を用いる細胞毒性試験であり、眼刺激性試験の代替法です。被験物質を一定時間添加後、死滅して培養プレートの底面から剥離した細胞を洗浄除去し、培養プレートに付着した生存細胞をクリスタルバイオレット(CV)で染色し吸光度を測定します。被験物質の細胞毒性の強さを、細胞の50%が死滅する被験物質の濃度(50%阻害濃度:IC50)で評価します。このIC50値は、過去の論文等で発表されているin vivo試験の結果と高い相関があることを確認しています。この試験は培地に均一に分散する物質であれば試験を行うことができます。
SIRC細胞を用いる試験で得られたIC50値は単回投与毒性の評価にも活用しています。多くの化粧品原料で細胞毒性値は、単回投与毒性の評価値と相関することが明らかになっています。
(参考文献)Hagino et al, Alternatives to Laboratory Animals 38: 139-152, 2010

SIRC細胞毒性試験

3T3-NRU光毒性試験

株化細胞であるBalb/c 3T3細胞を用いて光毒性を評価する試験です。プレート2枚を用いてそれぞれに細胞を播種した後に被験物質を添加し、一方を紫外線照射、もう一方を非照射として生存細胞をニュートラルレッドで染色し、吸光度を測定します。50%が死滅する被験物質の濃度(50%阻害濃度:IC50)を求め、照射と非照射の比率を算出し、光毒性の評価をします。被験物質は培地に均一に分散する素材に限られます。過去に論文等で発表されているin vivo試験と高い相関があることが確認されています。
(参考文献) OECDテストガイドライン432 [PDF:483KB](OECD Guideline for Testing of Chemicals, 432 : in vitro 3T3 NRU phototoxicity test )

3T3-NRU光毒性試験

SH試験・光SH/NH2試験

ヒト単核球由来の株化細胞であるTHP-1細胞 を用いて感作性を評価する試験です。細胞に被験物質を一定時間添加後、細胞を蛍光ラベルしたSH基検出蛍光試薬で染色し、細胞表面のSH基の生成量を測定し(光照射条件下における試験:光SH/ NH2試験の場合はSH基・ NH2基の生成量を紫外線照射・非照射ごとに測定し)、感作性の1要因として判定します。なお、この試験は通常の培養系を用いるため、培地に均一分散する素材であれば適用できます。過去に論文等で発表されているin vivo試験とは、高い相関があることが確認されています。
(参考文献) Suzuki et al., Toxicol. in vitro., 23, 687-696, 2009

SH試験・光SH/NH2試験

ARE assay・光ARE assay

細胞株AREc32(ARE発現ベクターを導入したヒト乳癌由来MCF7細胞)を用いて感作性を評価する試験です。細胞に被験物質を一定時間添加後(光試験の場合は紫外線照射・非照射で被験物質を一定時間添加後)、酸化ストレス等によって発現されるルシフェラーゼ活性を測定します。
過去に論文等で発表されているin vivo試験とは、高い相関があることが確認されています。
(参考文献) Natsch et al., Toxicol. Sci., 102, 110-119, 2008

ARE assay・光ARE assay

h-CLAT (human Cell Line Activation Test)

ヒト単核球由来の株化細胞であるTHP-1細胞を用いて皮膚感作性を評価する試験です。細胞に被験物質を一定時間添加後(光試験の場合は細胞に紫外線照射・非照射で被験物質を一定時間添加後)、細胞表面抗原CD86、CD54がどれだけ発現したかを測定します。

h-CLAT (human Cell Line Activation Test)

安全性を確認するためには、生体へ悪影響を及ぼさないことについて様々な項目を調べる必要がありますが、その中で皮膚感作性(アレルギー性)は特に重要な確認項目になっています。生体内において生じているそれぞれの過程を試験管の中で再現することが一般的な代替法の開発方法ですが、皮膚感作反応のメカニズムはとても複雑です。資生堂はこのメカニズムの中で表皮のランゲルハンス細胞の活性化に着目し、THP-1細胞のCD86発現を指標とするin vitro皮膚感作性試験系の有用性を見出しました。

2003年1月からの花王株式会社との共同研究により、CD86およびCD54発現を指標とする試験系に改良することで、施設間再現性が高いこと、および論文等で報告されているin vivo試験結果と良く一致することが確認されました。

資生堂は花王株式会社と共に、将来この皮膚感作性試験代替法が国際的な標準試験法となることをめざし、さらなる進展へ取り組んでいます。
(参考文献) Ashikaga et al., Alternatives to Laboratory Animals, 38, 275-284, 2010

ROS assay

被験物質に紫外線を照射することで生成され、皮膚にダメージを与える可能性がある活性酸素(ROS:Reactive Oxygen Species)を測定することで光反応性を評価する試験です。なお、この試験は緩衝液に溶解する素材であれば適用できます。
被験物質に2種類のROS指示薬を加えた後、紫外線を照射し生成される2種類の化合物による発色をそれぞれの最適な波長で測定、その生成量を算出します。その結果から光反応性を評価します。
過去に論文等で発表されているin vivo試験とは、高い相関があることが確認されています。
(参考文献) Seto et al., Current Drug Safety, 7, 140-148, 2012

ROS assay

Ames試験

ある種のアミノ酸が無いと生きられないように突然変異を起こした特殊な細菌を用い、被験物質の作用によって、その細菌がそのアミノ酸が無くても生きられるようになるか(元に戻るので復帰突然変異と言います)を検討する試験です。物質の中には代謝を受けて作用を示すようになるものもありますので、同時に代謝系を共存させた試験も行います。
試験では、被験物質と細菌と緩衝液または代謝酵素を含む緩衝液を混ぜ、寒天培地で培養し、2日後、復帰突然変異を起こした細菌が形成したコロニーの数を数えて対照(蒸留水など)と比較し、被験物質の遺伝子突然変異誘発性を評価します。
(参考文献) 「医薬品の遺伝毒性試験及び解釈に関するガイダンスについて」 [PDF:894KB] 平成24年9月20日 薬食審査発0920第2号

染色体異常試験

培養細胞を用い、被験物質の作用によって、細胞内の染色体に構造や数の変化が起こるかを検討する試験です。Ames試験同様、物質の中には代謝を受けて作用を示すようになるものもありますので、同時に代謝系を共存させた試験も行います。
試験では、細胞を培養したシャーレに、そのまま、または代謝酵素を含む緩衝液を加えた後に被験物質を加え、一定の時間、培養し、染色体の標本を作製します。標本は顕微鏡で観察し、染色体の構造や数の異常を持つ細胞の出現頻度を求め、被験物質の染色体異常誘発性を評価します。
(参考文献) 「医薬品の遺伝毒性試験及び解釈に関するガイダンスについて」 [PDF:894KB] 平成24年9月20日 薬食審査発0920第2号

In vitro 小核試験

培養細胞を用い、被験物質の作用によって、細胞内の染色体に変化が起こり、小核という小さい核が形成されるかを検討する試験です。Ames試験や染色体異常試験同様、物質の中には代謝を受けて作用を示すようになるものもありますので、同時に代謝系を共存させた試験も行います。
試験では、細胞を培養した培養ボトルに、そのまま、または代謝酵素を含む緩衝液を加えた後に被験物質を加え、一定の時間、培養し、標本を作製します。標本は顕微鏡で観察し、小核を持つ細胞の出現頻度を求め、被験物質の小核誘発性を評価します。
(参考文献) 「医薬品の遺伝毒性試験及び解釈に関するガイダンスについて [PDF:894KB]」 平成24年9月20日 薬食審査発0920第2号

Expert system (Read across)

ターゲット化合物と単に構造が類似した物質だけでなく、タンパク質結合性、毒性ポテンシャル、毒性アラート、経皮吸収性、腸管吸収性などの毒性発現機構の類似した物質の安全性情報を収集します。収集した類似物質の安全性情報から、ターゲット化合物の安全性を予測をします。最終的な安全性は、皮膚感作性や全身毒性等の、それぞれの安全性の専門家が、得られた類似素材の安全性情報と毒性発現機構の関連性に考察を加えながら、判断します。

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