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世界は数式でできている

複雑な自然現象も、生き物の模様も、数式はこの世の秘密を知っている。

すべての自然現象は、数式で説明ができる?!

大空を飛ぶ鳥の群れ。多様な雲のパターン。寄せてはかえす波の形。
これらの現象を解明する最新の方法が数理モデルです。様々な情報を数値と数式で表わし、コンピューターでシミュレーションすることで、ある現象の結果を予測したり、反対に原因を特定することに数理モデルは役立てられています。天気予報や経済の予測などは、身近な数理モデルのひとつです。

数理モデルによる先進的な皮膚研究

敏感肌や肌の老化、アトピー性皮膚炎、老人性乾皮症などによるかゆみなどが、どのようなメカニズムで起こるのかは詳細には解明されていません。そこで、資生堂は従来とはまったく異なるアプローチとして、皮膚科学と数理モデル、そして、コンピューターシミュレーションを融合させた最新の研究を行なっています。

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この研究はその重要性と可能性を政府が認め、国の戦略的創造研究推進事業「CREST」に採択され、2010年10月から北海道大学電子科学研究所の長山教授をリーダーとしたチームと共同研究をスタートしました。ちなみに、山中伸弥京都大学教授のiPS細胞の研究もCRESTによるものです。

前例のない研究から、いくつもの成果が。

皮膚科学の領域では、皮膚疾患の改善を目的とした、数理モデル、コンピューターシミュレーションを用いた本格的な研究には目立った前例がありませんでした。資生堂は世界に先がけ、皮膚に起こる特定の現象を数理モデルで表現し、シミュレーションによってコンピュータ上で再現することにも成功しました。
その成果の実例として、バリア破壊された皮膚が回復するまでの様子をご覧ください。

数理モデルとコンピューターシミュレーション動画

皮膚の刺激が伝達される数式をもとにした、破壊された角層が回復するまでのシミュレーション

  • 皮膚の刺激が伝達される数式
    角層の維持と回復に関係していると考えられるカルシウムイオンの細胞質内の濃度(ci)の変化を、それと関連している細胞外のATP(アデノシン三リン酸)の濃度(A)、細胞質内IP3(イノシトール三リン酸)の濃度(Pi)の変化とともに表した数式。
  • コンピューターシミュレーション
    左上の刺激の伝達の数式と、細胞運動の数理モデルを結合させることにより、角層(白色の部分)が破壊されたあと回復に至るまでを示しました。
    真皮(ピンク)の上部の基底層(緑色)で生まれた表皮細胞が分化しながら角層となる細胞運動と、細胞が破壊されて回復に至るまでの過程で起きている現象※が表現されています。 ※角層が破壊され空気に触れると、表皮細胞にカルシウムイオンが増加し、濃度の増減(青色:低濃度⇔赤色:高濃度)の繰り返しが見られ、それにより角層の回復が促進されます。角層が回復すると、これらの現象は収まります。なお角層の真下の表皮細胞にカルシウムイオンの局在化が見られますが、これは角層が正常な時に見られる現象です。

世界初、皮膚内部を可視化

シミュレーションが本当に正しいかを検証するため「二光子レーザー顕微鏡」を活用し、人間の皮膚内の神経線維の三次元立体構造を(切ったりすることなく)そのまま観察することに世界で初めて成功しました。

数理モデルによるコンピューターシミュレーションを、実際の皮膚内部のリアルな映像で検証することが可能になった結果、皮膚の現象をより正確に把握できるようになりました。

人間の皮膚内の3次元立体動画

数式とリアル画像の相互解析で、見えてくる肌の未来

資生堂ではこの成果を、抗老化、敏感肌化粧品はもとより、前述の皮膚疾患への対策にも反映できるよう研究を続けています。また皮膚は全身を覆っていて外部情報を人体内部に伝えている臓器であることから、本研究の発展が皮膚の健康状態と全身生理、情動との関連の解明、ならびに皮膚を作用点とした全身、およびこころのケアの医学の確立に発展することもめざしています。

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シマウマは、なぜシマ模様なのか?その秘密はここに。

大阪大学大学院 生命機能研究科 パターン形成研究室(近藤滋研究室)

タグ:
研究
CREST

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