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過去の展覧会 2015年

香水瓶の世紀 -バカラとルネ・ラリックを中心に-

前期:バカラ クリスタルの雅歌 7月17日(金)―9月27日(日)
後期:ルネ・ラリック 幻視のファンタジー 10月2日(金)―12月13日(日)

資生堂初代社長である福原信三(ふくはら しんぞう・1883-1948)は、化粧品を、人間の嗅覚、触覚、視覚に訴える特別な感性的価値を生み出すことができる『工藝芸術品』と捉え、その象徴として、わけても香水製造を重視しました。
以来資生堂は福原の思いを受け継ぐと共に、その美的資産を未来に役立てることを目的に、豊かなイマジネーションによる作品群で現代香水瓶の世界に孤高の地位を築くルネ・ラリック(RENÉ LALIQUE 1860-1945)を中心に、クリスタルガラスのラグジュアリーブランドとして名高いバカラほか、香水瓶の歴史に名を刻む数多くの香水瓶をコレクションしてきました。
本展ではこれら、アール・ヌーヴォーからアール・デコを経て現代に至る約200点のコレクションの全容を、初めて一般に公開する展覧会を開催しました。

はんが さまざま 館蔵版画名品展2015

2015年4月7日(火)― 6月28日(日)

本展では、「はんが さまざま」のタイトル通り、さまざまな作家によるさまざまな版画を紹介し、豊かで奥深い「版画」の世界をご紹介しました。版画は、凹凸を用いて表した絵柄を紙の上に反転印刷させてつくる絵画で、同じ版を使って複数枚の作品を制作できるのが大きな特徴です。技法的には凸版画、凹版画、平版画、孔版画の四つに分類され、古くから世界各地で制作されてきました。

本展では、多様な技法を駆使しながら、幅広く芳醇な表現世界を獲得してきた、近現代の版画に焦点をあてながら、木版画、銅版画、リトグラフ、シルクスクリーンなど、幅広いジャンルの作品を展覧しました。出品作家は、現代美術の分野で活躍する李 禹煥、百瀬 寿、青木野枝、舟越 桂を始め、版画家として世界的な評価を受けた浜口陽三、駒井哲郎、池田満寿夫。また、日本画家でありながら意欲的な創作版画の数々を発表した髙山辰雄、浮世絵の流れを汲む小村雪岱原画による木版画。また、サルバドール・ダリやジャコモ・マンズーなど、海外の作家の作品など。作家のみならず、モチーフやテーマもバラエティに富んだ展覧会となりました。

工藝を我らに 資生堂が提案する美しい生活のための展覧会

2015年1月15日(木)― 3月29日(日)

1872年の創業以来、私ども資生堂は化粧品のみならず、1902年からは現在の資生堂パーラーの前身となる資生堂ソーダファウンテン、1919年からはギャラリーの経営など、多様な文化を独自の美意識で彩りながら世に送り出してきました。商品はもとより、パンフレットの一枚に至るまで、微に入り細を穿ち、美しいもの、品格のあるものを創造することに情熱をかたむけた志しは、その時代、その時々にあって、一化粧品会社の立場から美しく質の高い生活を提唱し、日常生活全般を芸術化したいと願う強い意志に貫かれたものでした。

アートハウスが主催する展覧会「工藝を我らに」は、美術品として高殿に置かれている工藝品を、私たちの生活に取り戻すための試みとして、今後3年間に亘り開催します。そして、資生堂が永い年月を通じ、人々の生活を豊かにするものと信じて続けてきた提案を、展覧会の場を通じて新たに発信するものです。本年は、本展の趣旨に賛同してくれた5名の工藝家による新作にアートハウスの収蔵品を取り混ぜながら、私たちの日々に寄り添い、喜びをもたらし、大切に受け継がれていくことのできる品々を展覧しました。