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2018年12月 雑誌広告<br/>ONE ON ONE<br/>ゲスト:桑井亜乃(ラグビー選手)
2019年2月 雑誌広告<br/>ONE ON ONE<br/>ゲスト:大池水杜(自転車BMX選手)
2016年2月 雑誌広告<br/>ONE on ONE<br/>「いい顔」に迫る対談企画、スタート!
いい顔に迫る資生堂クロストーク「ONE ON ONE」vol.16
空手選手 西村 拳 × 女優 吉岡 里帆
ずっと空手が嫌いだった
吉岡 昔は空手がすごくイヤだったそうですね。
西村 はい。父が空手の先生なので、物心ついたころから道着を着ていたんですけど、初めは女の子にも負けているくらいで。ずっとお母さんっ子で、外で遊ぶのも嫌いな子どもだったので、小学校時代は道場の端っこでいじけていることが多かったです。
吉岡 お父さまが先生だと、反発することもあったんじゃないですか?
西村 小学生の時はけっこう反発していました。水泳教室と学習塾にも通っていたんですけど、空手に割く時間が一番少なくて。中学に上がっても、サッカー部や野球部の友だちがチームとして仲良くなっていくのを見て、ああ、いいなと少し思っていました。
吉岡 高校生になって、大会で勝てるようになっていったんですよね。自分の中で何か変化があったんですか?
西村 一番の理由は環境が変わったことです。全国でも有数の強豪校に入って、朝から晩まで毎日練習して、練習量と経験を積んでいったことによって、少しずつ結果が出るようになっていきました。
吉岡 武道にもいろいろな種類がある中で、空手の魅力は何でしょうか?
西村 ただ単に相手を倒せばいいわけではなく、スピードのある技をコントロールする技術が必要で、8メートル四方のコートをいかに使うかとか、3分間という短い時間をどう使うかとか、いろいろな駆け引きがあるんですね。知れば知るほど奥の深いところが空手の魅力だと思います。
吉岡 空手はスポーツマンシップと同時に闘争心も必要な競技ですよね。感情的になりすぎてしまうことはありませんか?
西村 あります(笑)。もちろん礼節を重んじるのが第一なんですけど、技が直接当たることもあるので、そういう時はつい感情がたかぶってしまって。
吉岡 やっぱり当たってしまうこともあるんですね。
西村 よく当たります。強く当たりすぎて怪我につながってしまうこともあります。
吉岡 ええー。じゃあこれまでで一番大きな怪我というと?
西村 自分は前歯が折れてしまったことがあります。自分が技を出そうと相手に飛び込んだときに、同時に相手も向かってきて。互いにすごい速さでぶつかったので、技を出し合った後に歯がポロッと(笑)。
吉岡 ええー!?本当にすごいです…。歯、お大事にしてください。
西村 ありがとうございます(笑)。
空手のイメージを変えていきたい
吉岡 肉体的にも精神的にも大変な競技だと思いますけど、メンタル面を平常に保つために自分の中で唱えているような言葉はありますか? モットーのようなものでもいいんですけど。
西村 自分は空手を楽しむことを大事にしています。試合で勝つことが目標ではあるんですけど、もともと嫌いだった自分が、空手を楽しいと思うようになってからのめり込んでいって、日本代表にも選ばれるようになったので、特に練習がキツい時や気持ちに迷いが出た時は初心に返ろうって。楽しもうという気持ちで、大きな声を出して、笑顔で取り組むことを心がけています。
吉岡 国際大会で成果を出すようなアスリートの方たちは、みなさん楽しむことを大事にしているっておっしゃいますね。
西村 楽しんだらいけない、勝つために厳しくやらなければいけない、という考え方の人もいると思います。でも自分は心の底から空手を愛して、楽しまなければいい技を出すことも、観客を魅了することもできないと思っています。
吉岡 その姿勢がみなさん本当にカッコいいです! 今は日本代表の合宿中なんですよね? 1日の練習時間はどれくらいですか?
西村 朝に30分のランニング、午前練習は2時間、午後練習は2時間半なので、計5時間くらいです。
吉岡 空手にはストイックなイメージがあるので、練習はもっと長時間に及ぶのかと思っていました。
西村 以前は違っていて、1日に10何時間とか、それこそ寝る間も惜しんで練習していたんですけど、今はそういった根性論に基づくものではなく、コーチ陣と選手が話し合いながら効率的な練習を進めています。
吉岡 時代とともに変わってきているんですね。
西村 そうですね。合宿では対戦選手のデータ分析をしたり、ウォーミングアップやドーピングに関する講習を受けたりもしています。
吉岡 闘い方も変わってきましたか?
西村 はい、特に外国人選手の闘い方が変わってきました。日本は空手発祥の国なので、常に攻めの姿勢を崩すなという考えが重視されるんですけど、海外の選手は1ポイント対0ポイントで逃げ切っても勝ちだという考え方をするんです。だから日本人選手と海外の選手の試合は、コートいっぱいに逃げ回る海外の選手を日本の選手が追いかけるような展開になって。
吉岡 そうなんですか!
西村 それは前までなかった闘い方なので、すごく変わったなと思います。
吉岡 空手のイメージが変わりますね。
西村 友だちに「空手ってどう思う?」と聞くと、「瓦割りするんやろ」という答えが返ってきて、いや、そんなの一切しないから!みたいな(笑)。これから空手をもっと普及させて、イメージを変えていけたらなと思います。
「拳」の名に誇りをもって
吉岡 「拳」というお名前が本当にぴったりですけど、まさに「名は体を表す」を地で行く方ですよね。お父さまが付けられたんですか?
西村 はい、父と母が考えてくれました。この名前に自信と誇りを持っているので、試合で負けそうな時に「拳ー!」って声援を送ってもらえると、頑張ろうっていう気持ちになります。
吉岡 声が届いていると思うと、応援する側もうれしいですよね。世界チャンピオンだったお父さまの影響はいろいろ大きいと思いますけど、今の自分がお父さまに勝てると思うところはどこですか?
西村 今ですよね? スタイルは絶対に勝てると思います。父はもうお腹も出ているので(笑)。
吉岡 あはは。西村選手は身長が180センチあって、スラッとされてますしね。逆に敵わないというところはありますか?。
西村 父はたとえどんな大きな相手にも「負けてなるものか」という強い気持ち、何者をも恐れない心があるんです。対峙した目つきだけでも萎縮させられるので、そういう気持ちの面ではまだまだ勝てないなといつも思います。
吉岡 お父さまのことを尊敬されてるのが伝わります。素敵な親子関係ですね。西村選手の持ち味はスピードと手足の長さなんですよね。
西村 はい。日本人は海外の選手と比べて蹴り技が苦手で、突き技の日本人選手対蹴り技の外国人選手という構図になってしまいがちなんですけど、自分は身長が大きくて手足も長い方なので、外国人選手に負けないスピードのある蹴りを蹴ることができるんです。突きだけでなく蹴りも得意だというのは、海外の選手にとってすごくイヤなことだと思います。
吉岡 頼もしい! 国際大会ではすでに金メダルを獲られていますが、東京オリンピックでも金メダルを獲るんだという気迫がひしひしと伝わってきます。
西村 今回の東京から空手が正式種目になって、しかも自分が25歳という、選手として一番いい時期に開催を迎えるので、神様がくれたこのチャンスを逃したくないと思って毎日がんばっています。
吉岡 東京ではどんな姿を見せたいですか?
西村 ただ勝つだけではなく、技で観客を魅了して、なおかつ姿勢や礼節を重んじる姿も見てもらって、ああいう選手になりたいと言ってもらえるようになりたいです。
吉岡 私も「拳ー!」って応援してます!(笑)。