次回の展覧会

「かみ コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎」

「かみ コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎」

資生堂ギャラリーでは2017年8月29日(火)から10月22日(日)まで、衣服・芸術・出版の表現領域で活動する「コズミックワンダー」と、コズミックワンダー主宰・現代美術作家の前田征紀と工藝デザイナーの石井すみ子によるユニット「工藝ぱんくす舎」による展覧会「かみ」展を開催します。

資生堂は、「美しい生活文化の創造」を企業使命とし、1919年に資生堂ギャラリーを開設しました。開設当初から、生活を豊かにするものとして工芸に着目し、美術と同様に数多くの工芸の展覧会を催してきました。1975年から1995年まで開催した「現代工藝展」は、工芸界の各分野からメンバーを選んで毎年展覧会を行い、「椿会展」とともに資生堂ギャラリーの企画展の柱となっていました。2001年から2005年まで開催した「life/art」展は、「現代工藝」を今日的に発展させたかたちとして、life(生・生活)とart(芸術・技術)との新たな関係性を探る展覧会でした。昨年は、日常の生活のなかでそっと人間と寄り添う工芸をテーマにした「そばにいる工芸」展を開催しました。このような工芸への取り組みは、資生堂ギャラリーを代表する活動のひとつといえます。

本展は、我々の生活で最も身近な工芸である「かみ」がテーマです。そのなかでも天然の素材を使い手作業で作られる手すき和紙の可能性を探ります。紙の魅力を引き出すものとして、工藝ぱんくす舎は、すべての生命の源であり和紙作りにかかせない「水」にフォーカスし、「お水え」を創案しました。「お水え」は、お茶会に着想を得た湧水をふるまうセレモニーで、自然の恵みに対する感謝の念をあらわすパフォーマンスです。展覧会タイトルの「かみ」には、神への感謝という意味も込められています。
展覧会では、「お水え」のしつらえや道具、そこからイメージを膨らませて作られた工芸作品が並びます。それらは、コズミックワンダーが制作した席主と半東の衣装である紙衣(かみころも)、石井直人による土器、川合優による木道具、西田誠吉、佐々木誠の紙漉きによる和紙など。道具やその他の演出は、日本の文化の源泉である縄文をイメージしています。

本展は、昨年島根県立石見美術館で開催された「お水え いわみのかみとみず」展を再構成し、新作が加わります。新作は、唐津の紙漉師、前田崇治の協力により作成されます。紙が発明された頃と同様に大麻の繊維を原料に、薬にもなる香りのよい海浜植物・ハマゴウを混ぜ込み、紙の新たな可能性を探ります。自然の素材で、昔ながらの手作業で作られた作品は、いにしえを感じさせ、我々の五感を磨き、「みえないものをみる」という日本人特有の感性や深い知恵を呼び覚ますこととなりましたら幸いです。

■コズミックワンダー(COSMIC WONDER)

1997年、現代美術作家 前田征紀を主宰に設立。東京・南青山に「Center for COSMIC WONDER」を開設、活動と発表の拠点とする。「精神に作用する波動」としての衣服、美術作品、書籍の発行など多岐にわたる表現領域により、 国際的な活動を展開する。2016年より京都・美山の重要伝統的建造物群保存地区にて、手仕事の工藝を組み合わせた作品を制作。2015年の発表作に、手漉き和紙 による紙衣を題材とした「かみのひかりのあわ」水会のパフォーマンス。2016年の発表作に、島根県立石見美術館にて特別展「お水え いわみのかみとみず」、パフォーマンス「お水え」がある。本年11月に同館にて特別展「COSMIC WONDER 充溢する光」と題した展覧会を開催する。2018年春に前田征紀として タカ・イシイギャラリーにて個展を開催予定。

■工藝ぱんくす舎

前田征紀と石井すみ子(gallery白田主宰/工藝デザイナー)の精神の空間を創造する美術ユニット。
作品に、2015年「かみのひかりのあわ 水会」2016年「お水え いわみのかみとみず」。

■「かみ コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎」  開催要項

主催: 株式会社 資生堂
会期: 2017年8月29日(火)~10月22日(日)
会場: 資生堂ギャラリー
〒104-0061
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
Tel:03-3572-3901 Fax:03-3572-3951
平日 11:00~19:00 日曜・祝日 11:00~18:00
毎週月曜休(月曜日が祝日にあたる場合も休館)
入場無料

■関連企画

詳細はイベント情報にてご案内予定です。

■作品写真

赤瀬川原平『新劇』連載「埋め草」より 1985-1986
畠山直哉 シリーズ「Findling」より 2009

①パフォーマンス「お水え」撮影:長島有里枝
②こよみ唄巻物 楮和紙(蛇胴紙、紙漉き:西田誠吉) 湧水で擦った炭

赤瀬川原平『新劇』連載「埋め草」より 1985-1986
水瓶 水碗 石見の白土、野焼き焼成 石井直人
④⑥

③うみかみ紙衣 上衣 下衣 小浜海岸の海藻を漉き込んだ楮和紙 コズミックワンダー
④⑥水瓶 水碗 石見の白土、野焼き焼成 石井直人

柄杓 松の木のこぶ 川合優

⑤柄杓 松の木のこぶ 川合優