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2019年09月18日

発行元:(株)資生堂

研究・サプライネットワーク

資生堂、皮膚科学の共同研究で30周年

~米国の皮膚科学研究所との提携を6年拡大~

資生堂は、ハーバード医科大学付属皮膚科学研究所と米国マサチューセッツ州ボストンにあるマサチューセッツ総合病院が設立した皮膚科学研究所「CBRC(シービーアールシー)(Cutaneous Biology Research Center)」と、2019年9月17日(火)、共同研究に関する提携を6年拡大することに合意しました。契約期間は2021年7月~2027年6月です。

CBRCは1989年に設立され、皮膚科学の領域では世界トップクラスの研究所として知られています。資生堂にとって、国内外の外部機関とこれまでの枠に捉われないオープンイノベーションの先駆け的な存在で、今日まで30年にわたって共同研究を進めてきました。その数多くの最先端の研究成果は当社の商品研究開発へ活かされています。

今後も当社のミッションである「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」の実現に向けてCBRCと共同研究を続けて、イノベーティブな化粧品の製品開発や、紫外線、加齢など、皮膚科学に関する研究に取り組み、最先端の価値を創造していきます。 さらに研究開発に留まらず、セミナー、シンポジウム等を通じてお客さまへ紫外線の基礎知識や光老化が肌に及ぼす影響等、健やかな肌を保つための情報発信を進めていきます。

魚谷社長、島谷副社長、CBRCフィッシャー所長、マサチューセッツ総合病院 スラヴィン病院長

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CBRCについて

1989年に資生堂のサポートにより、ハーバード医科大学とマサチューセッツ総合病院が設立した皮膚科学領域の先進的な研究開発をする総合研究所です。30年前から当社と共同研究を進め、皮膚・毛髪科学領域における重要な研究成果を数多く挙げてきました。当社からも多くの研究員が派遣され、研究員のグローバル人材育成にも貢献してきました。

【参考】30年にわたるCBRCと資生堂の主な共同研究の成果

これまでに以下のような皮膚・毛髪科学の世界初の研究成果を挙げてきました。

1993年 【神経系と皮膚免疫系の相互作用の発見】
この発見によって、それまで臨床の場面で観察されていた、皮膚疾患が精神ストレスで悪化する現象を解明する手掛かりになった。1993年Nature誌に論文が掲載されるなど、多くの関連論文を発表。
2001年 【皮膚基底膜におけるラミニン5の重要性の発見】
基底膜形成におけるラミニン、IV型、VII型コラーゲンの生合成、分解のバランスの重要性を示し、形成を促進する機構を明らかにした。関連の研究について資生堂は2000年IFSCC*で最優秀賞を受賞した。
2003年 【脱毛に関連する新たな遺伝子の発見】
TSC-22とSmad2という二つの遺伝子が脱毛に関わるメカニズムを新たに発見した。
2005年 【光老化と血管新生関連因子の関係解明】
紫外線照射による表皮直下の毛細血管の誘導がしわの原因になることを解明した。
2007年 【色素細胞の活性化メカニズムの発見】
色素の受け取り側が色素細胞にシグナルを発して色素形成のパターンを決めているということを新たに見いだした。2007年、世界的に権威のある学術誌Cellに論文掲載された。
2009年 【リンパ管形成メカニズムの発見および、リンパ管と皮膚光老化の関係解明】
紫外線を浴びた皮膚ではリンパ管の機能が低下し、しわの形成につながることを発見した。さらにその現象を抑制する薬剤を開発した。
2010年 【レドックス関連因子の発現促進による生体の酸化ストレス減少】
ポリフェノールの一種であるケンフェロールおよびそれを含有するイチョウ葉に、紫外線による細胞ダメージを強力に抑制する効果があることを発見した。CBRCと共同出願特許あり。
2016年 【乾燥などの皮膚ストレスが、肌トラブルにつながるヘパラナーゼを増加させることを発見】
乾燥などの外部環境ストレスによって、基底膜の分解を促進する要因の一つであるヘパラナーゼが表皮中で増加することを発見
※ IFSCC (The International Federation of Societies of Cosmetic Chemists): 世界中の化粧品技術者が集い、より高機能で安全な化粧品技術の開発へ向けて取り組む国際機関

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。