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2019年11月21日

発行元:(株)資生堂

研究・サプライネットワーク

資生堂、バイオフォトン測定により顔の酸化ストレスの部位差を発見

酸化ストレスレベルは加齢・シワと密接に関係

資生堂は東北工業大学との共同研究により、超高感度冷却CCD(Charge Coupled Device)カメラによる肌のバイオフォトン(UPE)※1測定技術を応用することで、紫外線ダメージなどによって肌に蓄積される酸化ストレス※2を”顔全体”の広い範囲で評価することに成功し、顔の酸化ストレスには部位差があることを初めて明らかにしました。また、本技術を用いて、酸化ストレスレベルは加齢に伴い増加すること、酸化ストレスレベルとシワには密接な関係があることも見出しました。
今回の発見を通じて、肌の部位ごとの酸化ストレスに応じた適切なスキンケア・サンケア製品の開発や、より効果的な使用方法の提案など、様々な領域への活用を目指し、研究開発を進めていきます。
本研究成果は「国際化粧品技術者会連盟(IFSCC※3ミラノ中間大会2019」(2019/9/30-10/2)でポスター発表を行いました。

※1:バイオフォトン(UPE (ultraweak photon emission)): 生体から発する目には見えない極めて微弱な光のこと。詳細は後述。
※2:紫外線ダメージなどにより酸化ストレスが高まると、肌本来がもつうるおい、透明感、ハリなどを保つ機能が低下します。
※3:IFSCC (The International Federation of Societies of Cosmetic Chemists): 世界中の化粧品技術者が集い、より高機能で安全な化粧品技術の開発へ向けて取り組む国際機関。

肌から発生するバイオフォトン(UPE)

肌からは、バイオフォトン(UPE)と呼ばれる目には見えない極めて微弱な光が発生しており、この微弱な光は酸化ストレスに伴い増加することが知られています。資生堂は2018年に、超高感度冷却CCDカメラによる測定技術を応用することで、バイオフォトン(UPE)を撮影し、肌を傷つけることなく、肌の酸化ストレスを高精度に可視化できるようになりました。この技術により、日焼け止めが紫外線を防ぎ、酸化ストレスの発生を抑制すること、化粧品に含まれる緑茶抽出液が紫外線ダメージによって生じる酸化ストレスを抑制する効果があることを視覚的に証明することに成功しています。

顔全体の酸化ストレスの分布

バイオフォトン(UPE)は非常に弱い光のため可視化には高い技術が必要で、広い範囲を正確に観察することは非常に難しいことでしたが、今回、顔全体の酸化ストレスを評価することに成功しました。その結果、眉間・鼻周りの肌が他の部位に比べて酸化ストレスが高い状態にあることがわかりました。この部位は顔のなかでも紫外線が当たりやすく、皮脂の多い部位なので、酸化ストレスが高くなっている可能性が考えられます。日焼け止めをこまめに塗り直したり、しっかりとスキンケアを行うなど、部位に合わせたケアの重要性が示唆されました。

図1:全顔の酸化ストレスの可視化

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図2:全顔の酸化ストレスレベル(イメージ図) *日本人女性50名の平均

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肌の酸化ストレスと加齢・シワの関連性

本測定技術を活用して、各年代の女性の目周りの肌の酸化ストレスを評価したところ、肌の酸化ストレスレベルは加齢とともに増加し、酸化ストレスレベルの高い肌ほどシワのスコア(程度)が高まることを見出しました。

図3:肌の酸化ストレスは加齢・シワと密接に関係している

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紫外線による肌の酸化ストレスは光老化※4の原因の1つとされており、特に顔は年中紫外線を浴びるため、日頃から肌をケアすることは非常に重要です。資生堂では、これまでに得られた研究成果をもとに、酸化ストレスから肌を守るスキンケア・サンケア製品の開発を進めていきます。
※4:太陽光に含まれる紫外線によって生じる「シミ・シワ」などの肌の老化現象のこと。肌老化の主要な原因とされています。

※このリリースに記載されている内容は発表時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご留意ください。