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またまた史上初!3大会連続受賞を達成した資生堂のたるみ研究

高齢者の肌の奥に、細胞の元となる「幹細胞」がたくさん存在していた!?

IFSCC Congress 2018 ミュンヘン大会 最優秀賞(口頭発表・基礎部門)

「皮膚のアンチエイジングシステムをターゲットにした新たなスキンケア」

何がスゴイの?

肌の細胞の衰えを立体的に捉えた!

肌は年齢を重ねるにつれて衰え、これが顔のたるみの大きな原因となります。肌の若さを決めるのが細胞です。しかし、肌の細胞は観察が難しく、これまで多くが謎に包まれていました。その細胞を詳しく見てみようと始まったのが、今回の受賞研究なのです。 国際医療福祉大学医学部形成外科学 松﨑恭一主任教授と生理学研究所との共同研究により新たな電子顕微鏡解析技術を開発し、初めて肌の奥の細胞(真皮の細胞)まで、立体的に見ることに成功しました。
実際に見てみると、若い人の真皮の細胞は細い突起を縦横に伸ばしているのに対し、高齢者の細胞では突起が失われて、衰えた状態になっていました。このように肌の中での細胞の衰えが初めて明らかになりました。

若齢者の真皮の細胞 高齢者で観察された形状の変化した真皮の細胞

何が分かったの?

肌の中に「幹細胞が保存される場所=リザーバー」を発見!

さらに肌の観察を続けると、高齢者の肌でも皮脂腺の周りは良い状態にあることが分かりました。皮脂腺は肌のところどころにあり、肌に脂を補う場所です。この皮脂腺の周りの細胞を観察すると、新しい細胞を生み出す「幹細胞」がたくさん存在し、そこは幹細胞のリザーバーであることが分かりました。

幹細胞は肌の細胞の元となる大切な細胞ですが、加齢と伴に失われると言われています。しかし、高齢者の肌でもこのリザーバーには十分に幹細胞が残っていました。

肌の断面図

こうした幹細胞を肌の中に引き寄せることで、衰えた細胞を新しい細胞に置き換え、肌の若返りに繋げることが可能になります。
この一連の発見を、今後は新たなスキンケア化粧品の開発に役立てていく予定です。